大谷翔平争奪戦で“市場停滞” WM開幕も異例の移籍ゼロ…ブレーブス移籍も現実味なし

エンゼルスからFAとなっている大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルスからFAとなっている大谷翔平【写真:Getty Images】

ウインターミーティング中の決着が予想された大谷争奪戦は長期化

 エンゼルスからFAとなっている大谷翔平投手の去就の決着が見えない。当初はテネシー州ナッシュビルで行われるウインターミーティング中と予想されていたが、一転して停滞ムード。長期化の様相を呈してきた。

 球団幹部や代理人らが一堂に会するウインターミーティングが開幕。しかし、大物選手の移籍を伝える「ブレーキングニュース」は、まさかのゼロだった。「オオタニの移籍先が決まらないからね」。メジャーのFA市場は目玉選手の去就が決まらなければ、他の選手も決まらないのが通例。盛り上がりに欠ける初日に、米球界関係者は声を漏らした。

 この日、MLBネットワークのジョン・モロシ記者が大谷の争奪戦にブレーブスも参戦していると報じた。今季両リーグ最多104勝を挙げ、ナ・リーグMVPのロナルド・アクーニャJr.外野手、2冠王のマット・オルソン内野手らを誇る強力打線。2021年にワールドシリーズを制覇した最強軍団は、“勝てるチーム”を求めるとされている大谷にとっては魅力的なはずだ。だが、現実は“障壁”が多いように感じる。

 米データサイト「コッツ・ベースボール・コントラクト」によると、長期契約選手を多く抱えるブレーブスの来季チーム総年俸は現時点で2億5580万ドル(約375億円)。すでに来季のぜいたく税の課税ライン、2億3700万ドル(約349億円)を上回っている。

ブレーブスのDHは今季40発のオズナがほぼ専有、来季が4年契約最終年

 起用法も障壁が山積み。今季はマルセル・オズナ外野手が主に指名打者として打率.274、40本塁打、100打点と復活。外野を守れるとはいえ、今季は左翼で2試合出場したのみ。11月に33歳となったオズナがいることを考えれば、エンゼルス時代と同じようにDHスポットが空けた状態とは言えない。

 さらに、3日(同4日)に5選手が絡むマリナーズとの交換トレードでジャレッド・ケルニック外野手を獲得。2018年ドラフト1巡目(全体6位)でプロ入りし、新天地では左翼のレギュラーとして期待される元有望株だ。例えば、来季が4年契約最終年で年俸1800万ドル(約26億5000万円)のオズナをトレード放出するなどすれば、大谷獲りの可能性はなくはないが……。つまり、ブレーブスには抜本的な「大谷シフト」を敷く必要がありそうだ。

 大谷争奪戦は水面下で行われているが、常勝軍団で資金力、起用法などの条件がピッタリ当てはまるドジャースが最有力なのは間違いない。それでも、ESPNのバスター・オルニー記者は「ショウヘイ・オオタニだけがどこで契約するかを知っているようで、他の人は推測するしかない」と自身のX(旧ツイッター)に綴った。全ては大谷の決断に委ねられている。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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