戦力外→古巣復帰「生活かかってる」 捕手複数制に“待った”…36歳が貫く信念

西武の入団会見を行った炭谷銀仁朗【写真:湯浅大】
西武の入団会見を行った炭谷銀仁朗【写真:湯浅大】

西武・炭谷銀仁朗は楽天との来季開幕カードでの先発マスクに「目標ではあります」

 楽天を戦力外となり2018年以来6年ぶりに西武へ復帰した炭谷銀仁朗捕手が7日の入団会見で、近年の野球界で主流となりつつある捕手複数人制について私見を述べた。今季のプロ野球で100試合以上でスタメンマスクをかぶったのは甲斐(ソフトバンク)、大城(巨人)、坂倉(広島)の3選手だけで、それぞれ130試合、125試合、102試合だった。阪神では梅野が開幕から試合に出続けていたが、怪我の影響で8月中旬以降は出場機会なし。そこを加味しても正捕手が固定できているチームは少ないと言える。

 捕手1人制が理想の形か問われた炭谷は「たぶん、選手はみんなそう考えていると思いますよ」と答えた。「今のプロ野球を見た時に、複数で回している方がメリットは多いと思います。ただ、選手は自分の生活ががかかっている。いい成績を残さないといけないですから」。アスリートとして自身の価値を高めるために出場機会を求めるのは自然なことだという。

 36歳の炭谷が若手だった頃は「1人の正捕手がいて、という時代。それが主流で育った人間はそういう考えを持っています」と語る。ところが近年、プロの世界に飛び込んだ選手には「その考えはなかったですね。『こうしようよ』と僕らが言ったところで『それは1人でやる時代の話でしょ』となるかもしれない」と難しい立場にいることも説明した。

 今季の西武でスタメン出場した捕手は古賀が90試合、柘植が41試合、古市が12試合で、経験豊富な炭谷が新たなポジション争いに加わる。「どれだけ、1年でも長くできるかだと思う。気持ち的には、ほぼほぼ可能性はゼロに等しいですけど143試合でフルイニング出るという気持ちは捨てていないです」。それは開幕マスクを狙うということを意味する。「まあ、全部にでると言っているので。相手も楽天やしね。目標ではありますけど」。来季の開幕カードは今年まで在籍した楽天との3連戦(楽天モバイルパーク)。ベテラン炭谷が正捕手1人体制を目指す。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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