ベンチも貧打の中日…年俸4.8億円使える“超贅沢” 中田翔がもたらすもう1つの影響

中田翔(左)とダヤン・ビシエド【写真:矢口亨、荒川祐史】
中田翔(左)とダヤン・ビシエド【写真:矢口亨、荒川祐史】

中日の代打は12球団ワースト…元4番が“怖い存在”に?

 2年連続で最下位に沈んだ中日が、中田翔内野手の加入によって地殻変動を起こすかもしれない。一発が出ない、点が取れない貧打線が刺激されるのは必至。どっしりとした存在感は、ベンチにまで好影響を及ぼす期待をまとう。

 2022年の就任時から苦しみ続けてきた立浪和義監督にとっては、決死の勝負手になる。通算303本塁打を誇る34歳の決断は、東海地方を大きく沸かせた。期待されるのは「4番・一塁」。今季ブレークを果たした細川成也外野手、若き大砲・石川昂弥内野手とともに、他球団と比べても見劣りのしない中軸が完成する。

 不確定要素があるとすれば、一塁でポジションがぶつかるダヤン・ビシエド内野手の起用法。2016年の加入から不動の4番を担ってきたが、今季は6本塁打、23打点、打率.244でいずれも来日以降ワーストだった。2022年から3年1000万ドル(約14億6000万円)の契約を結んでおり、現レートだと来季年俸は約4.8億円(金額は推定)。現状では中田優勢なのは当然で、高給取りがベンチを温める事態は楽に想像できる。

“代打・ビシエド”はコスパを考えると手放しで喜べないが、ベンチも貧打の中日にとっては心強いカードになる。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、今季の中日の代打は打率.173で12球団ワースト。平均的な打者と比較してどれだけ得点を増減させたかを示す「wRAA(weighted Runs Above Average )」も-18.1で最下位だっただけに、ビシエドがベンチに控えていれば、相手に与えるプレッシャーは増す。

 待ちわびたミスタードラゴンズの監督就任から2年。思い描いた未来とは遠くかけ離れてしまった。ファンも我慢の限界を迎える背水の3年目。中田が打線もベンチも活性化させ、救世主になってもらうほかない。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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