元ドラ1や防御率1点台左腕…移籍で“激変”の可能性 現役ドラフト組が狙う大ブレーク

現役ドラフトで移籍したソフトバンク・水谷瞬(左)と日本ハム・長谷川威展【写真:球団提供】
現役ドラフトで移籍したソフトバンク・水谷瞬(左)と日本ハム・長谷川威展【写真:球団提供】

DeNA→楽天の櫻井は今年4月に支配下復帰して2軍で36試合に登板

 出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化を目的とし、昨年から開催されている現役ドラフト。第2回が12月8日に行われ、各球団1選手、計12人の移籍が決まった。今回は、パ・リーグ6球団が獲得した選手たちを紹介する。

○水谷瞬外野手(ソフトバンク→日本ハム)
 石見智翠館高から、2018年ドラフト5位でソフトバンクへ入団。2021年にはファーム公式戦で69試合に出場し打率.276、4本塁打、29打点をマークしたが、2022年は右肩痛の影響で13試合の出場にとどまった。今季はオープン戦途中まで1軍に帯同するも、開幕前に2軍へ。83試合で打率.259、4本塁打35打点の成績も1軍デビューとはならなかった。193センチ、99キロの恵まれた体格を持つ5年目。若手が躍動する日本ハムで、花を咲かせることができるか。

○櫻井周斗投手(DeNA→楽天)
 日大三高から、2017年ドラフト5位でDeNAへ入団。2年目の2019年には、14試合に投げた。2021年には自己最多30試合に登板し、防御率3.07と一定の成績を残した。左肘手術の影響で2022年オフに育成契約となるも、今年4月に支配下復帰。1軍登板はなかったものの、2軍で36試合に投げ順調な回復を示した。投げっぷりの良さが売りで、高校時代には早実・清宮から5打席連続三振を奪ったことでも話題となった。松井裕樹投手がメジャー移籍を目指す中で、貴重な左のリリーバーとしてチームに貢献したい。

○中村祐太投手(広島→西武)
 関東第一高から、2013年ドラフト5位で広島に指名されてプロ入り。2017年にはプロ初登板初先発を初勝利で飾ると、以降も先発ローテーションの一角を担って5勝4敗、防御率3.74の活躍で、チームの2連覇に貢献した。しかし2018年以降は1軍と2軍の行き来が続き、今季も5試合の登板にとどまった。2軍では28試合で防御率1.08、奪三振率9.45だっただけに、移籍をきっかけに新天地で殻を破ることができるか。

日本ハム→ソフトバンクの長谷川は今季1軍で9登板ながら防御率1.08

○愛斗外野手(西武→ロッテ)
 花咲徳栄高から、2015年ドラフト4位で西武へ入団。2019年にプロ初安打をマークするなど、自己最多42試合の出場を果たす。2021年4月9日のロッテ戦では、プロ初本塁打を含む1試合2本塁打。以降も勝負強い打撃を武器に、8本塁打、39打点をマークした。2022年は121試合で打率.243、9本塁打28打点だった。今季は全体的に数字を落とすも、積極的な打撃と高い守備力は健在。初安打・初本塁打ともにZOZOマリンで放っており、思い出の球場が来季からの本拠地となる。新たな舞台で、レギュラーの座をつかみたい。

○鈴木博志投手(中日→オリックス)
 ヤマハから2017年のドラフト1位で中日へ入団。ルーキーながらセットアッパーを任されるなど、53試合に登板。後半戦の不調もあり、防御率4.41で終えるも、12ホールド4セーブを挙げた。2019年は14セーブをマークしたが、25試合の登板にとどまる。2020年以降は1軍定着を果たせないシーズンが続き、今季も9試合で1勝2敗、防御率4.07でシーズンを終えた。打者を圧倒する力強い直球を武器に、速球派が多いオリックス投手陣の一員として存在感を示したい。

○長谷川威展投手(日本ハム→ソフトバンク)
 金沢学院大から、2021年ドラフト6位で日本ハムへ入団。オープン戦で結果を残して開幕1軍入りし、3月26日のソフトバンク戦でプロ初登板を果たしたが、怪我もあり1軍での登板は2試合にとどまった。今季は2軍で34試合に登板して防御率3.00。9月以降は1軍登板も増え、9試合で防御率1.08と一定の成績を残した。サイド気味の特徴あるフォームから、ノビのあるボールが売りのサウスポー。4年ぶりの優勝を狙うチームに、新たな風を巻き起こせるか。

 第1回現役ドラフトでは、大竹耕太郎投手(ソフトバンク→阪神)や細川成也外野手(DeNA→中日)らがブレークを果たした一方、思うような結果を残すことができなかった選手も少なくなかった。ただチームが変わる分、出場機会が増える可能性があるのも事実。環境や求められる役割の変化をプラスに捉え、1人でも多くの選手に、新天地で花を咲かせてほしい。

(「パ・リーグインサイト」杉森早翔)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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