桑田2軍監督「おばあちゃんに追いつけない」 田植えから学んだ若手育成のヒント

巨人・桑田真澄2軍監督【写真:荒川祐史】
巨人・桑田真澄2軍監督【写真:荒川祐史】

桑田2軍監督の趣味はワイン作りと米作り「キーワードは“育てる”と言うこと」

 巨人・桑田真澄2軍監督は2008年に現役引退して以来、米作りとワイン作りを「趣味」としている。グラウンドでは「スポーツ医科学」を活用したコーチングを行っているが、農業からも野球へのヒントを得ることがあるという。

「野球と農業に共通するキーワードは“育てる”です。お米は5月に田植えして9月末か10月に収穫。ワインは葡萄を1年をかけて育てたうえで収穫する。水をあげ過ぎると腐り、光をたくさん浴びせたらよいというものではない。やはりよい作物を育てるには、情熱と愛情とじっくり時間をかける必要があることを学びました」

 ワインは2010年からニュージーランドのマタカナで、米作りも同年から福岡・豊前市で行っている。米作りは地元の農家の協力を得て行っているが、勉強になることばかりだという。

「80歳を過ぎたおばあちゃんに教えてもらいました。最初は、おばあちゃんに『僕が全部やりますから』と言うんですが、おばあちゃんの方がスイスイ田植えをしていくんです。僕は体力には自信があるんですが、田植えが上手なのはおばあちゃん。『何事もコツが大事だな』と学びました」

 稲刈りにもコツがいるようだ。「おばあちゃんは鎌を上手に使ってシュッシュッと切っていくんです。僕は力を入れてもなかなか切れないのに。コンバインの操縦も簡単そうに見えるんですけど、Uターンで切り返す時に結構コツがいるんです」

 桑田2軍監督は2021年に巨人1軍投手コーチ補佐として現場復帰。翌2022年は投手チーフコーチ、2023年はファーム総監督を務めてきた。「野球も農業と同じで、コツを覚えると飛躍的に上手くなる。だから若い選手が、気づきを得るためのきっかけ作りが大切だと思っています」。2年連続Bクラスからの立て直しには若手の成長が欠かせない。桑田2軍監督は自らに言い聞かせるように語った。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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