“劇薬”山川穂高が加入…変わる鷹の勢力図 ベンチワーク試されるポジションの被り

ソフトバンク・中村晃(左)と柳町達【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・中村晃(左)と柳町達【写真:荒川祐史】

一塁で“被る”のが中村晃…4年連続ゴールデングラブ賞の名手が正念場?

 もっとも影響を受けるのは、功労者かもしれない。大補強を果たして優勝候補として挙げられながらも、2023年のソフトバンクは3位に沈んだ。オフシーズンもストーブリーグの中心となり4年ぶりのV奪回にこれ以上ない姿勢を見せているが、正念場を迎える選手は少なくない。

 まず大注目は、西武から国内FAで移籍してきた山川穂高内野手の加入だろう。5月に強制性交等の疑いで書類送検され、8月には不起訴処分となった。西武時代は無期限の出場停止処分を受けていたが、移籍したことで来季からはグラウンドにも立つことができる。通算218発のスラッガーのポジションは、主に一塁だ。

 2023年シーズンに、もっとも一塁で出場したのは中村晃外野手で128試合。4年連続ゴールデングラブ賞を受賞している名手が、山川加入の影響を受けるだろう。打撃面では打率.274、5本塁打、37打点。出塁率.351と選球眼は健在だが、2024年11月には35歳を迎える。攻守で存在感を見せることで競争を勝ち抜いていきたい。

 高橋礼投手、泉圭輔投手とのトレードで巨人から獲得したのがアダム・ウォーカー外野手だ。2022年に23本塁打を放った助っ人は、課題だった右打者の不在を埋めることになる。影響を受けるのは、柳町達外野手だろう。2023年は打率.257で80安打を記録したが、4年間で通算本塁打は1本。守備、走塁面も含めて、さらに向かい風の強い1年になりそうだ。

 投手陣の中で新戦力は、現役ドラフトで日本ハムから獲得した長谷川威展投手くらい。通算11試合登板にとどまっているものの、左のサイドスローと明確な特徴を持っている。2023年に45試合に登板した田浦文丸投手にとっても、ライバルの1人になるはずだ。ドラフト会議でも、支配下枠で5人の投手を指名した。課題だった投手陣の整備へ、春季キャンプから激しい競争になることは間違いない。

 小久保裕紀新監督は、レギュラーと明言しているのは柳田悠岐外野手と近藤健介外野手だけ。中村晃が開幕スタメンを外れれば、2020年以来4年ぶりとなる。新監督となって生まれ変わろうとする2024年シーズン、選手1人1人の意地に注目だ。

(Full-Count編集部)

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