スター候補に“定位置なし” 33歳浅村の適正ポジションは…内野大渋滞の楽天
三塁ではフランコと茂木、一塁では鈴木大、阿部、伊藤裕らが定位置を争う
新監督にとっては、いきなり悩ましい問題が浮上している。2023年はシーズン最終戦までCS争いを繰り広げながら、4位に終わった楽天。石井一久監督が退任し、今江敏晃監督が就任した。村林一輝、小深田大翔ら若手がブレークし、内野手は大渋滞。本塁打王の浅村栄斗がどこを守るのかに注目が集まっている。
2023年シーズンは主に、浅村が二塁、小深田が三塁、村林が遊撃。また、浅村が指名打者で出場した試合では、小深田が二塁に入ることが多かった。しかし浅村も33歳を迎え、守備の負担が大きいと言われる二塁から三塁や一塁へコンバートされる可能性も。この動きによって他の選手たちにも影響が出そうだ。
さらに、セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータから見ても、浅村のコンバートのメリットが伺える。小深田の守備指標「UZR」は、二塁では601イニングで「-1.4」に対して、三塁では305イニングで「-3.3」。二塁に固定したほうがいいことが数字で示されている。
では、浅村が三塁または一塁にコンバートされればどのような影響が出るのだろうか。三塁を争うのは、来日2年目を迎える大物助っ人のマイケル・フランコと復活を目指す茂木栄五郎だろう。メジャー通算130本塁打のフランコは2023年、95試合の出場で打率.221、12本塁打、OPS.644。茂木は8試合の出場で12打数1安打、打率.083に終わったが、復活すれば大きな戦力になる実力者だ。
また、一塁では鈴木大地、阿部寿樹、伊藤裕季也らの争いが展開されている。そして三塁、二塁の争いに割って入りたいのが5年目の黒川史陽だ。2019年ドラフト2位のスター候補で、2023年はイースタンで打率.307の好成績を残した。しかし、ここまで1軍の選手層につけ入る隙はなく、難しい状況が続いている。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。