人的補償が西武にもたらす恩恵 “パ最強”の「155.3」…秘めるお宝の可能性

西武への移籍が決まった甲斐野央【写真:荒川祐史】
西武への移籍が決まった甲斐野央【写真:荒川祐史】

西武移籍の甲斐野は昨年の直球平均球速が155.3キロだった

 ソフトバンクの甲斐野央投手が、国内フリーエージェント(FA)権を行使して移籍した山川穂高内野手の人的補償として、西武に移籍することが11日に両球団から発表された。27歳右腕の特長は何と言っても剛速球。救援投手ではリーグNo.1のスピードを誇る。

 甲斐野は入団1年目の2019年に65登板で8セーブ、26ホールド。日本一に貢献し、「WBSCプレミア12」の日本代表にも選出された。翌2020年は右肘を痛めて登板なし。同年12月に手術を受けた。昨年は46登板で3勝1敗2セーブ8ホールド、防御率2.53と復活を遂げた。

 注目されるのは速球のスピード。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、昨年の平均球速は155.3キロで3位だった。1位は佐々木朗希(ロッテ)の159.1キロで、2位はライデル・マルティネス(中日)の155.7キロ。日本球界屈指のスピードを誇る。

 1年目の平均球速は152.8キロだったが手術後にスピードアップ。2022年の平均球速も155.3キロで、両リーグを通じて5番目だった。コンスタントに球速を出せるのは大きな強みだろう。

 西武の守護神は、通算194セーブをマークしている35歳の増田達至投手が長く君臨。しかし、昨年は2023年は19セーブで防御率5.45に終わった。今季はいずれも救援が見込まれるアルバート・アブレイユ、ジェフリー・ヤン両投手を獲得し、さらに最速160キロの甲斐野が加入。強固なブルペン形成が期待できそうだ。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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