ロッテ荻野が畑を始めた理由 焼き芋200本を手売り…“異色の試み”で叶えたい夢
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ロッテ荻野が公式アンバサダーを務める農園「OGI FARM」
焼き芋で生まれたファンとの交流を、大切にしている。昨年末、ロッテの荻野貴司外野手が千葉県某所にサプライズ登場した。自身が公式アンバサダーを務める農園「OGI FARM」で収穫したサツマイモを、キッチンカーで販売。現役プロ野球選手の、新たな試みに迫った。
昨年12月26日。荻野は約200本のサツマイモやドリンクなど、オリジナルメニューを備えたキッチンカーを出店。「どうなるかなと思っていたのですが、想像以上の方が足を運んでくれました」。ファンに向けての発表は当日だったにも関わらず、多くの人が集まり商品はすぐに完売となった。
大好きなサツマイモをファンに届ける――。“店長”として過ごした1日を「喋るのは苦手だけど、ファンの方々と交流できて良かった。喜ぶ顔を見られて嬉しかった」と、充実した表情で振り返った。これまでも、シーズン中に本拠地・ZOZOマリンスタジアム外周に出店したこともあるが、なぜ現役のプロ野球選手が農園を始めたのか?
ルーツは地元・奈良で過ごした幼少期にある。実家の周りは畑など自然と触れ合う機会が多く「土を触ったり、匂いが好きだった。近所の友達とそこで遊ぶのが楽しみ」だった。幼い頃の夢の一つに「焼き芋屋」があり、プロ入り後、知人に相談したところ、畑を借りることになった。
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「究極の夢は軽トラで焼き芋を売ること」
当初は「本当に個人でひっそり、軽いつもり」だったが、コロナ禍も重なりファンとの交流を考えた際に「苗を植え、収穫して皆で一緒に食べたい」と徐々に規模が大きくなり、現在のスタイルに至った。今後もオフ期間を利用して様々な場所で出店していく考えもあるという。
「もちろん、野球が本業なので。プレーで結果を残すことが一番です。野球以外で“OGI FARM”は楽しみの一つ。究極の夢は軽トラックで焼き芋を売りにいくこと。昔よく道で聞いていた『石や~きいも~』の音楽もいいですよね」
2024年、チームは1974年以来となる年間勝率1位でのリーグ優勝、2010年以来の日本一を目指していく。チーム最年長38歳の荻野も覇権奪回のピースになるべく、自身15年目のシーズンに向けて調整を続けている。歓喜の瞬間をファンと共に味わい、オフに最高のサツマイモを届けるつもりだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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