涌井が見た根尾昂「もったいない」 才能絶賛も…開花を阻む“性格”「頭が良すぎる」

中日・根尾昂【写真:矢口亨】
中日・根尾昂【写真:矢口亨】

小笠原、柳、高橋宏は「負けたくない気持ちを前面に出して投げている」

 中日の涌井秀章投手がFull-Countのインタビューに応じ、チームの先発陣の印象を告白。本格的に先発に挑戦する根尾昂投手については「あのクラスは伸びるしかない」などと期待や課題を語った。

 昨季プロ19年目で初めてセ・リーグの球団でプレーし、21試合に先発(5勝13敗)。自身より多く投げた小笠原慎之介、高橋宏斗(ともに25先発)、柳裕也(24先発)の3投手については厚い信頼を口にした。

「小笠原、柳、高橋宏の3人は、お互いに負けたくない気持ちを前面に出して投げている。そこに若い子たちがついていくというか、梅津(晃大)、仲地(礼亜)も引っ張られていく。3人は言葉を発しているし、練習態度もそういう方向だから」

 ローテを背負う3本柱の姿勢を評価し、若手に与える好影響にも期待。3投手が生み出すリズムがチームの空気を変えるには十分な存在だとし「何かがきっかけとなってチームが上がる流れは来るんです」。昨年は球団初の2年連続最下位に沈んだが「そんなに深刻に捉えなくていいんじゃないかな」と低迷期の脱出すら感じている。

根尾は「何かのきっかけでよくなるんだろうなと思います」

 プロ6年目で、投手に転向して3年目となる23歳の根尾についても言及。「実際に試合をずっと見ているとか、1年間一緒にやったわけではない」とした上で、「能力の高さはもちろん凄い。打つのだって凄いし、出てきたらファンも盛り上がるし、根尾も何かのきっかけでよくなるんだろうなと思います」。

 注目の成長株ではあるが「頭が良すぎるというのもあるかな。考えすぎてしまうというか。もっとシンプルにやればいいのに、と思う時もありますね」。根尾の良さでもある、真面目すぎる性格さゆえの課題も指摘した。

 投手としての完成度としても「すごくいい球もあるし、そうじゃない球もある。例えば50球を投げたら、まだ20球くらいが悪い球。すごい投手はそれが4、5球しかない。そこはもったいないですよね」。荒削りな面はあるが、むしろそこに成長の余地があると見ている。

「彼は1度何かを言ったら、その反復練習をすごいする。ステップアップしていると思う。まだ初期段階のレベル。でも伸びるしかない。あのクラスは」

 中日の昨季の76被本塁打はリーグ最少で、チーム防御率3.08も優勝した阪神に次ぐ2番目の好成績だった。小笠原、柳、高橋宏に37歳の涌井が形成する先発ローテに、根尾が割って入るようなことがあれば、“立浪竜”の投手力は再建への大きな力となる。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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