最速160キロでも「勝負にならない」 甲斐野にあった危機感…背番号「34」を選んだワケ

入団会見に臨んだ西武・甲斐野央【写真:湯浅大】
入団会見に臨んだ西武・甲斐野央【写真:湯浅大】

甲斐野央が入団会見「いち早くユニホームに袖を通して野球したい」

 西武・甲斐野央(ひろし)投手が1日、埼玉・所沢市の球団施設で入団会見を行った。国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクへ移籍した山川穂高内野手の人的補償として加入した右腕は、背番号「34」にかけるユニークな思いを明かした。

「ふざけたことを言うかもですけど……」。新天地での背番号に34を選んだ甲斐野は少し恥ずかしそうに切り出し「三振と言う意味あるのかなと」と意外な返答で報道陣を笑わせた。「34」→「サン・シ」→「三振」ということだ。

「三振を取りたいというこだわりはあるし、レベルアップして取れたらいいなと思います」。三振への思いを述べた右腕に対し、松井監督も「まっすぐとフォークで三振を取れるのが1番大きい」と奪三振能力を評価した。

 甲斐野は会見で、その武器でもある最速160キロを誇る直球に言及。球速について「こだわりというか武器にはなると思う。大切にしていきたいところではありますけど、僕もプロの世界で6年目。いろんな経験をさせていただいた。ストライクゾーンに入らないと勝負にならないのが当たり前で、僕も1年目はガムシャラというかただ、ただ、腕を振っていたというのがあった」。

 速いだけでは生き抜けないプロの世界。「打者との駆け引きも大事になってくるし、経験を踏まえて、いろんなスキルを磨いて、スピードだけでなく抑える技術をもっと磨いていきたい。スピードは大事だけどそこに特化して他がおろそかになると勝負にならない。自滅してしまう」と力説した。

 6日から始まる春季キャンプでA班(1軍)メンバーとしてチームに合流する。「いち早くユニホームに袖を通して野球したい」。勝ちパターンの継投の一角として期待される右腕は、背番号34でプレーすることを心待ちにしている。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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