秋広へ“恐怖の予告”「当然フル出場」 巨人が11日に紅白戦開催…松井秀喜氏も観戦

春季キャンプで汗を流す巨人・秋広優人【写真:矢口亨】
春季キャンプで汗を流す巨人・秋広優人【写真:矢口亨】

松井氏が「見上げた」男がさらに10キロ増量してパワーアップ

 巨人の阿部慎之助監督が、11日に今春宮崎キャンプで初の紅白戦を行うことを明かした。10日から臨時コーチを務める大物OB・松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)の“御前試合”にもなる。松井氏の代名詞だった背番号55の後継者・秋広優人内野手らがどんなプレーを見せるか。

 阿部監督は21歳の伸び盛りの秋広に対して、就任直後の昨年の秋季キャンプから、マンツーマン指導を含めて特に厳しく接しているように見える。2月1日のキャンプイン後も、両足を大きく広げた体勢での“股割りティー打撃”を課すなど鍛え上げ、さらに6日から始まる第2クールへ向けて「まだまだ足りないと思う。レベルアップして、量も増やして、やらせます」と“恐怖の予告”。秋広の11日の紅白戦出場については「それは当然です。フル(出場)です」と明言した。

 松井氏にとっても秋広は、昨年5月2日のヤクルト戦(東京ドーム)で始球式を務めた際、あいさつを受けた経緯がある。身長188センチの松井氏が2メートルの秋広を見上げ「私、あまり見上げる人間はいないのですが、本当に見上げました。びっくりしました。本当に大きいですね」と目を丸くしていた。

 しかも秋広はシーズンオフの間に、食事とトレーニングで約10キロ増量し、体重110キロでキャンプイン。ひと回り大きくなり、パワーを増した姿を松井氏に披露することになる。昨年121試合に出場して打率.273、10本塁打41打点でブレーク。今年はレギュラー固めはもちろん、松井氏級のスターになれるかどうかを占う上で、ターニングポイントになりそう。松井氏の目の前での紅白戦は、試金石の1つになるかもしれない。

 最初の紅白戦とあって、出場選手は若手中心。「若い選手が現状でどれくらい動けるかを見ておきます」と阿部監督は言う。秋広の他にも、ドラフト3位ルーキー・佐々木俊輔外野手(日立製作所)、同4位・泉口友汰内野手(NTT西日本)らの実戦デビューが楽しみだ。

2軍vs3軍戦を視察「若い選手を見てあげるのも監督の仕事」

 特に佐々木は、精密機器で計測した打球速度が170キロ超をマークしたことで、にわかに注目度がアップ。現時点でレギュラーが白紙の外野で、定位置奪取の可能性も現実味を帯びている。佐々木自身「チームになじめてきたと、勝手ながら思っています。岡本(和真主将)さんとかもジョージ(『おさるのジョージ』にちなんだ佐々木のニックネーム)と呼んで絡んでくれるので、うれしいですしホッとしています」と表情が和らいできたところだ。

 一方で、阿部監督は紅白戦翌日の12日に、1軍キャンプ地から約40キロ離れた都城市で行われる「2軍vs3軍」の試合を視察することも明かした。「若い選手が3軍で頑張っているだろうし、そういうのを見てあげるのも監督の仕事ではないかと思います。彼らのモチベーションになるように、声をかけてあげられればいいかな」と説明した。

 少しずつ着実に“阿部イズム”を浸透させている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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