由伸通訳は「柔道で関西3位」 あだ名は“ソノピー”…映画会社から46歳で異例の転身

ドジャース・山本由伸(右)と通訳の園田芳大氏【写真:荒川祐史】
ドジャース・山本由伸(右)と通訳の園田芳大氏【写真:荒川祐史】

専属通訳就任から3日…山本から「ソノピー」と呼ばれる愛されキャラ

 ドジャース・山本由伸投手のメジャー1年目をサポートしているのが、専属通訳に就任した46歳の園田芳大(そのだ・よしひろ)氏だ。メジャーで通訳を務めるのは初めて。「本当に毎日がいっぱいいっぱいです。来週のこと、1か月後のことは考えられません」というが、その表情は充実感でいっぱいだ。

 熊本県出身。野球経験は小学校までで、九州学院高、龍谷大まで柔道一筋。大学時代は86キロ級で「関西3位」という実力者だった。米国ではボストン、オクラホマシティなどを転々とし、2003年からニューヨークを拠点に生活。映画関連会社に勤務し、「メン・イン・ブラック」などハリウッド映画の制作に関わった。

 運命が変わったのは、昨年5月に起きた映画会社で起きた大規模なストライキ。「野球ばかり見ていました」。昨年8月に山本のマネジメントを担当する「ワッサーマン・メディア・グループ」が、日本人通訳の求人を出していることを知って応募した。「どの選手の通訳をするのかは知りませんでした」。実に5度の面接を経て見事に採用。ドジャースのバッテリー組キャンプ初日だった9日(同10日)からの正式就任が決まった。

 メジャーで同一言語を扱う通訳が2人同時にベンチ入りすることが可能。だが、ベンチのスペースにも限界があり、登板時の園田氏の役割はブルペン投球まで。ベンチ入りはせず、大谷翔平投手の通訳を務める水原一平氏が試合時のサポートを務める。「今年は(ベンチに)入らないです。(試合中は)ダグアウト裏で。由伸くんが登板する時はウォームアップまでは付くと思います。試合中は一平さんが付きます」と活動予定を明かした。

 昨年12月に妻の実家のあるテキサス州内に引っ越したばかりだが、今後はロサンゼルスへの引っ越しも控えている。専属通訳就任から、まだ3日目だが、一回り以上年下になる25歳の山本から「園田さん」だけでなく、「ソノピー」と呼ばれる時もあるという。「たまに(ソノピー呼びが)出てくるんですよ(笑い)。僕は『山本くん』『由伸くん』と呼んでいます」。大谷&水原通訳に負けない名コンビとなりそうだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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