巨人の重圧は問題なしも…新加入右腕の不安要素は 専門家が危惧する“本拠地の洗礼”

ブルペン投球を行った巨人・高橋礼【写真:湯浅大】
ブルペン投球を行った巨人・高橋礼【写真:湯浅大】

野球評論家・野口寿浩氏は高橋礼がフライボールピッチャーなら「リリーフは怖い」

 トレードでソフトバンクから加入した巨人・高橋礼投手が13日、宮崎キャンプでブルペン投球を行った。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、アンダースローの特徴から東京ドームで苦戦する可能性を指摘した。

「一般論としてアンダースローはフライボールピッチャー(飛球で打ち取る)が多いとされます。高橋礼の投球を多く見たわけではないのですが、彼も同タイプだとしたら、東京ドームのように打球が飛びやすいとされる球場だとどうなんだろうな、という心配はあります」

 巨人の本拠地、東京ドームは本塁打が出やすく“投手泣かせ”でも知られる。アンダースローは飛球を打たせる傾向が多いことから、苦労するのではと危惧した。

 その一方で、高橋礼が他のアンダースローとは一線を画す点があることも強調。「彼には球威がある。通常、アンダースローは120~130キロくらいの球速で勝負するけど、高橋礼は140キロを出したこともある。そこでどうなるか。この日のブルペン投球を見てもスピード感はありました」と分析した。

 起用法について「阿部監督やコーチ陣がどのように考えているのかは分かりませんが、もしも高橋礼も多くのアンダースローと同様にフライボールピッチャーで“東京ドームの洗礼”を浴びてしまうようなことがあるのなら、リリーフは怖いですよね」。打者の目線を惑わす意図での中継ぎ起用の効果も考えられるが、競った場面での被弾は一気に流れを持っていかれてしまう。先発が無難だという。

巨人入団への重圧は不安要素にならず「杉内コーチがいるし、馴染めると思う」

 2年目の2019年に12勝を挙げて新人王になった経歴を誇るだけに「リーグが変わり、球場も変わり、対戦相手も変わる。どうなっていくか楽しみですよね。見ていきたい」と期待を込めた。

 球界屈指の伝統ある球団に入った重圧については「(ソフトバンクOBの)杉内投手チーフコーチがいるし、一緒にトレードで加入した泉もいる。他球団から移籍してきた選手もいることで孤立することもなく、馴染めると思いますよ」と、不安要素にはならないと予想した。

「今日のブルペンはコントロールに少しバラつきがありました。新しい球団、キャンプ中盤で疲れもあることでしょう。疲労が抜けた状態で、もう1度見たい投手ですね」

 東京ドームで苦しむタイプか否か――。新加入のアンダースローの“特性”が、自身の価値を左右する。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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