鷹の26歳は「30盗塁してくれる」 強肩強打だけでない…城島氏が期待する新たな“捕手像”

ソフトバンク・谷川原健太【写真:竹村岳】
ソフトバンク・谷川原健太【写真:竹村岳】

連日のようにアーリーワークで周東佑京と谷川原健太に指導「強化指定選手」

 ソフトバンクの城島健司会長付特別アドバイザー兼シニアコーディネーターが13日、取材に応じた。連日、周東佑京内野手と谷川原健太捕手とアーリーワークを行なっていたが、その2人を「強化指定選手なんです」と明かす。「小久保さんが去年の秋に監督になった時に、あの2人を見てもらえないか? という話だったので」と、昨年の取り組みの延長として、この春も城島アドバイザーが練習を見守ることになった。

 城島アドバイザーが訴えたのは、谷川原の可能性だ。2015年にドラフト3位指名を受けて、豊橋中央高から入団。昨季は61試合の出場で打率.233、0本塁打、3打点。外野手としても31試合に出場したが、スタメンマスクは4試合にとどまった。小久保裕紀新監督が昨秋に就任すると、2024年からは捕手に専念することが決定。甲斐拓也捕手に、同じポジションで勝負を挑むことになった。

 城島アドバイザーは「皆さんがわかっているように、甲斐というキャッチャーがベースにいる」と、競争の構図をイメージする。その上で「得意、不得意があって、タイプが違います。タク(甲斐)は肩も強いし、ワンバウンドも上手。同じタイプの選手だとそこに入っていくのは難しいかもしれないですけど、彼(谷川原)には足と打撃がある。甲斐とは違うアピールができる。小久保さんが言うように、ユーティリティ(プレーヤー)で終わるような選手じゃない」と、強調した。

昨季は甲斐拓也が139試合に出場も…期待するのは“化学反応”「フロントの願い」

 登録は捕手ではあるものの、通算で4盗塁を記録している谷川原。外野を任されるだけの肩と足も持っているだけに、捕手としても稀有な存在だ。谷川原の将来像に城島アドバイザーも「今までのキャッチャーよりも走れますから、20盗塁、30盗塁は将来、してくれるんじゃないかなと僕は期待しています」と脚力を評価する。この日もアーリーワークで、打撃投手を務めていた城島アドバイザー。「長打力あるじゃないですか。バッティングすごいですよ」と、谷川原には走攻守で期待を寄せている。

 甲斐は昨季、139試合に出場。世界も経験し、2017年から6年連続でゴールデングラブ賞に輝くなど、ホークスを支えてきた捕手だ。その上で「僕が現役の時もそうでした。毎年競争ですから。僕も移籍した時は不安でしたし、覚えることもいっぱいありました。当然、いい気分はしませんよ、拓也だって。ただチームとしては競争で、刺激を与えるような選手が出てきてほしいのはフロントの願いです」と“化学反応”に期待していた。

 ともに練習を見守っていた周東についても「世界で一番いい足を持っている。彼が主役にならないといけない。足を売りにしている、今の子どもたちの未来がないじゃないですか」と背中を押す。「僕は周東は、今までにない歴史というか成績を残してほしいなと思います。彼が残せなかったら、他には残せない」と、昨季36盗塁で2度目の盗塁王に輝いた周東に足に“夢”を見ていた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)

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