防御率0.98…無双左腕の劇的変化 弱点を大幅改善、リーグ1位の驚愕数値「75%」
鷹モイネロは昨季、与四球率を大幅改善…ストライク率が向上した
2017年の入団以降、ソフトバンクのブルペンを支え続けてきたリバン・モイネロ投手。昨季は左肘の故障により7月途中での離脱を余儀なくされたが、そこまでの27登板で見せた投球は3勝5セーブ13ホールド、防御率0.98。キャリアベストといえる内容だった。特筆すべき点は与四球率が大きく改善されたこと。過去のシーズンでは3点台中盤から5点台を推移していたが、昨季は1.63と優れた数値を記録した。
昨年のモイネロはストライク率が大きく向上した。例年のストライク率がリーグ平均前後の62~65%だったが、昨年は75.0%を記録。20イニング以上投げた投手の中でリーグトップだった。
2022年までは平均して対戦打者4.4人に1人のペースで3ボールとなっていたが、昨季は16.2人に1人。常にカウントに余裕を持ちながら打者と勝負できていた。
ストライク率を劇的に向上させられたのはなぜか。理由は実にシンプルで、ストライクゾーンに投げ込む割合が増えたことにある。全投球に占めるストライクゾーンへの投球割合はリーグ平均が毎年48%前後。かつてのモイネロはこの割合が低かったが、昨年は2022年から6.4ポイント増加してリーグ平均を上回り52.0%だった。球種別で見るとストレートでの変化が大きく、50%前後だったストライクゾーンへの投球割合は61.3%に増加した
単にストライクゾーンに投球を集めるだけでは、痛打を浴びるリスクも大きくなる。しかし、モイネロの球は質が高いため、リスクを少なく見積もることができる。昨年のストライクゾーンへの投球における奪空振り率を見ると、特にストレートが20.7%で、チェンジアップが34.8%。リーグ平均を大幅に上回った。
ストライクゾーンで勝負することにより与四球率の改善に成功した昨季は、1イニングあたりの投球数が前年から2.6球ほど減少し12.9球。結果としてリーグで最も球数が少ない投手となった。より一層の進化を遂げた左腕は、今季から先発への転向が予定されている。新たな役割に挑む左腕の活躍に期待したい。
(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)