5年間で3度の2位…37年ぶりの快挙も ロッテの“特別空間”がもたらした恩恵
ZOZOマリンのホームランラグーンは2019年に設置された
ロッテの本拠地・ZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンが2019年に設置されてから5シーズンが経過した。「2023 パーソル クライマックスシリーズ(CS) パ」第3戦で藤岡裕大内野手が放った同点3ランに代表されるように、劇的なホームランがたびたび生み出されるようになった。
ラグーン導入前のロッテは、2013年からの4シーズンで3度にわたって3位でAクラス入り。CSでも2度のファイナルステージ進出を果たしていた。しかし、2017年は貧打にあえぎ、チーム史上ワーストの87敗。2018年も81敗を記録してリーグ5位と苦しんだ。
ラグーン初年度の2019年も4位に終わったが借金は1、首位とのゲーム差は9.5と、過去2年間に比べて成績は改善。2020年は激しい優勝争いを繰り広げ、最終的に2位に入った。
2021年も優勝争いに加わり、オリックスと熾烈な争いを展開。リーグ制覇は逃したものの、2年連続2位となった。2022年は5位に沈んだが、吉井理人監督を迎えた2023年は再び優勝争いを演じ、リーグ2位に入った。
2023年の本塁打王となったポランコは、球団では落合博満氏以来37年ぶりの快挙
ラグーン設置以前の5年間は、チーム本塁打数がいずれも100本未満だった。2016年からは3年連続でリーグ最少。チーム全体が長打力不足に陥っていたことは明白だった。だが、設置初年度の2019年は158本塁打と前年から80本増加。得点数もリーグ2位に躍進した。
2020年も120試合の短縮シーズンながら90本塁打で、143試合換算で年間107本ペース。2021年はリーグ2位の126本。昨季は得点数こそリーグ4位に後退したが、直近5年間で3度目となる100本塁打に到達。グレゴリー・ポランコ外野手が、チームとして1986年の落合博満氏以来37年ぶりの本塁打王のタイトルに輝いた。
一方で被本塁打数も増加し、2021年まで3年連続でリーグワースト。2022年の被本塁打数は5位、2023年は同4位と徐々に改善の兆しも見えており、来季以降もこの傾向が続くのかは注目の要素といえる。
ホームランラグーンの設置後は優勝争いを演じるシーズンも増えている。投打に期待の若手を多く擁するチームがさらなる成長を遂げ、悲願のリーグ優勝を達成できるかに注目したい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)