奪三振王がMLBの“ルール変更”に怒り 大谷ら故障者続出も…「どうして短縮する」

ブレーブスのスペンサー・ストライダー【写真:Getty Images】
ブレーブスのスペンサー・ストライダー【写真:Getty Images】

ピッチクロックは今季、走者ありの場合に20秒から18秒に短縮される

 昨季ナ・リーグの最多勝&最多奪三振のタイトルを獲得したスペンサー・ストライダー投手(ブレーブス)が、ルール変更に不満を訴えた。昨季から導入されたピッチクロックは今季、走者ありの場合に20秒から18秒に短縮される。25歳右腕は「投げることや健康管理をより難しくしている」と指摘。怪我に繋がりかねないと異議を唱えた。米全国紙「USAトゥデイ」が伝えている。

 昨季20勝&281奪三振で両タイトルを手にしたストライダーは、ピッチクロックをこれ以上短縮すべきではないと考えている。ピッチクロックが導入された昨季、9イニングの平均試合時間は25分近く短縮され、2時間40分になった。今季は走者ありの場合、2秒短縮され18秒で実施されることが決まっている。

 右腕は「リーグは怪我が蔓延しているにもかかわらず、ピッチクロックの短縮、ロースターの投手数の制限、投手交代の回数、マウンド訪問の回数など、怪我を助長しかねないルール変更を行なっている。これらすべてのことが、投げることや健康管理をより難しくしている」と訴えた。さらに「負傷の割合がこのような状況なのに、怪我について話し合うこともなく、どうしてやみくもにクロックを短縮させることができるのか、私にはわからない」「リーグ最高の選手が怪我をした時、野球にどれほどの関心が集まるのか?」などと持論を展開した。

 2023年には、大谷翔平投手の他、サンディ・アルカンタラ、シェーン・マクラナハン、リアム・ヘンドリクス、ジェイコブ・デグロムら30人のメジャーリーガーがトミー・ジョン手術やそれに類する肘の再建・修正手術を受けた。トミー・ジョン手術を受けたメジャー投手の割合は35.3%に。2016年から29%増加したと、怪我についてのアナリスト、ジョン・ローゲール氏は報告している。ストライダーは大学生時代の2019年にトミー・ジョン手術を受けている。

 導入されたピッチクロックと守備シフトのシフト禁止により、「彼ら(MLB)が望んだことはすべて達成された。より多くのアクション、より多くのインプレーのボール、より多くの得点、試合時間の短縮、視聴者の増加。しかし、(深刻な)怪我も増えた」とストライダー。「ルール変更によってすべての目標は達成された。他に何を目指そうとしているのか?」と疑問を呈する。また、今回の更なる短縮に「十分な議論やデータの検討がなされているとは思えない」とも述べている。

 一方で、ピッチクロックを研究するグループの一員であるグレン・フライシグ氏によると、ピッチクロックは、導入前に年々増加していた負傷率に明確な影響を与えなかったとしている。「ピッチクロックを導入した昨年は、負傷の割合に特に変動は見られなかったようだ」と述べている。

(Full-Count編集部)

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