楽天2年目ドラ1の衝撃「70.8%」 リーグ最強の“魔球”…逸材右腕の異次元数値

楽天・荘司康誠【写真:荒川祐史】
楽天・荘司康誠【写真:荒川祐史】

楽天・荘司、スプリットのストライク率がリーグトップの70.8%

 2022年ドラフト1位で入団した楽天・荘司康誠投手の2年目に注目が集まる。新人年の昨季は4月下旬から先発ローテーションに定着し、デビュー9戦目となる7月5日のオリックス戦(楽天モバイル)で待望のプロ初勝利をマーク。以降は負けなしでシーズンを完走し、投球回はチーム4位の109回2/3を記録するなど、確かな手応えをつかむルーキーイヤーを過ごした。

 荘司の「球種別投球割合」では、全体の約半数を直球が占めている。直球に加えてスプリット、カットボール、カーブを織り交ぜる投球スタイルだが、それらの持ち球の中で注目したいのが「スプリット」だ。2ストライクに打者を追い込んだ後の投球割合はスプリットが30.9%を記録し、奪った三振の数は変化球の中で最も多い33個。150キロを超える力強い直球と並び、ウイニングショットとして投球を支えているスプリットの“凄み”に迫る。

 荘司のスプリットで際立つ数字は「ストライク率」だ。沈む球を武器とするパ・リーグの好投手を押さえ、ストライク率はリーグトップの70.8%をマークした。ボールゾーン投球時の「スイング率」にも注目したい。荘司のスプリットはボールゾーンスイング率がリーグ上位の52.4%。高い確率でスイングを誘うことに成功していた。

 ボールゾーンの変化球を振らせることは、打者に「本来のバッティングをさせないこと」につながる。難しいボールを数多く振らせたことで、スプリットは被打率.165という好結果を残した。また、フォーク(スプリット)の打数が100以上のパ・リーグ投手陣の中で、同球種の被本塁打がゼロだったのは荘司とロッテ・佐々木朗希投手の2人のみ。リーグ屈指の良質なスプリットは、これからも荘司の大きな武器となるはずだ。

 楽天は昨季まで守護神を務めていた松井裕樹投手がメジャーへ移籍。それに伴う則本昴大投手のクローザー転向などもあり、2年目を迎える荘司には先発陣の中心となることが期待されている。規定投球回到達と2桁勝利を目標に掲げて挑む今季は、自慢のスプリットで相手打線を手玉に取り、ローテーションの柱としてさらなる躍進を果たしたい。

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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