昨季12球団最少33→7戦13盗塁の“変貌” 「成果が出ている」DeNAが進める走塁改革

DeNA・三浦大輔監督【写真:小池義弘】
DeNA・三浦大輔監督【写真:小池義弘】

三浦監督「攻撃の幅、バリエーションを広げていかないといけない」

 DeNAは8日、横浜スタジアムで行われた日本ハムとのオープン戦に4-4で引き分けた。この日3盗塁を決め、これでオープン戦7試合で12球団断トツの13盗塁。昨季は同最少のわずか33盗塁に終わったチームで、確かな“走塁改革”が進んでいる。

 4回1死二、三塁から、左前適時打を放った関根が二盗に成功。5回先頭の梶原は中前打で出塁すると1死から石上の打席で二盗を決め、その後敵失も絡んで4点目のホームを踏んだ。6回無死では森敬がこの日3個目の四球を選び、すかさずスタートを切って二塁へ進んだ。

 若武者たちの積極果敢な姿に、三浦監督も「攻撃の幅、バリエーションを広げていかないといけないし、それをキャンプから取り組んできていますから。成果が出ているかなと。オープン戦ですけどね、まだ」と嬉しそうだった。

 ここ数年も「走塁改革」を掲げていたが、今年は何が違うのか。「塁に出てからの情報量がしっかりと頭に入っていう。それはやはり石井コーチもそうですし、佐竹コーチも今年から入った中で、データを頭に入れての塁上ですから、その分、背中押してくれてますからね。思い切ってできていると思います」と説明した。

昨季102盗塁の楽天で走塁コーチを務めた佐竹氏をアナリストとして招聘

 昨季12球団で唯一の3桁となる102盗塁をマークした楽天で1軍野手総合兼外野守備走塁コーチを務めていた佐竹学氏をアナリストとして招聘。現役時代に盗塁王4度を誇る石井琢朗氏をチーフ打撃兼走塁兼一塁ベースコーチに据えた。

 オープン戦とはいえ、対戦経験の少ないバッテリーを相手に走るのは準備やデータの成果と言えるだろう。「(昨年より)進化させています」と笑った指揮官は、「選手がしっかりと準備できた中で、盗塁している選手だけではなく、ベンチにいる選手の意識も変わってきてます」とうなずいた。

 これがシーズンでも出せれば、戦い方は大きく変わる。三浦監督が「続けていかないと。どれだけシーズンでも継続できるかが大事。シーズンに入ると、どうしても大事に大事に行きがちですけど、それを今年は変えられるようにやっていきます」と話せば、石井コーチも「走塁に関する意識は変わってきたと思います。でもこれを当たり前にしていかないと、いつまでたってもチーム力は上がっていかない。チームとしてやっとスタートラインに立てた。これからです」と手綱を締めた。

 本番はまだ先。それでも若手たちが少しずつ手応えを掴んでいるチームには、昨年とは違う“色”が見えた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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