大谷翔平、開幕戦で示したド軍移籍の好循環 評論家が太鼓判を押す「史上6人目の快挙」

パドレス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
パドレス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷は5打数2安打1打点1盗塁とチームの勝利に貢献

■ドジャース 5ー2 パドレス(20日・高尺スカイドーム)

 ドジャース・大谷翔平投手は20日、韓国・ソウルの高尺スカイドームで行われたパドレスとの開幕戦に「2番・指名打者」で先発出場。注目されたダルビッシュとの初対決では、右前打を放つなど5打数2安打1打点の活躍でチームの勝利に貢献した。メジャー解説者の新井宏昌氏は「打者専念の今年は40-40に十分期待できる」と太鼓判を押した。

 ダルビッシュとの注目の初対決に、球場が沸いた。第1打席は外角低めに沈むシンカーに遊ゴロ。だが、3回2死走者なしで迎えた第2打席は152キロの外角シンカーを右前に運び、今季初安打をマークした。続くフリーマンの打席では初球で二盗を決め、移籍後初盗塁も記録した。

 さらに、2点リードで迎えた8回1死二、三塁の第5打席では左前適時打を放ち今季初打点。開幕戦でマルチ安打を放つ活躍ぶりに新井氏は「ダルビッシュとの対戦では強い球に対しても自分のスイングを出し、左投手にはインサイドのボール気味の球にも体を開かずセンター中心の打撃。思い切りのいい打撃と、結果を出す打撃の両方を見せてくれた」と、状態の良さを感じ取っていた。

 昨年9月に行った右肘手術の影響で、今シーズンは打者に専念する。投手としての登板がなくなったことで「昨年以上に走塁面に力を入れることができる」と新井氏は分析する。この日も第1打席の併殺崩れで見せた快足ぶり、完璧に盗んだ二盗に「大谷は足もスペシャリスト。全力疾走を怠らないことでチャンスも必然と増えてくる」と口にする。

エンゼルス時代は勝負を避けられる場面も「今年は大谷だけを警戒するわけにはいかない」

 これまで、投打の二刀流を成功させ様々な記録を残してきたが、今シーズンはメジャー史上6人目の「40本塁打&40盗塁」にも注目が集まっている。日本人野手では2001年にイチローが記録した56盗塁が最多。走力のある選手は過去にも多く存在したが、本塁打を兼ね備えた選手はいなかった。

 昨年は日本人初の本塁打王(44本)にも輝いた大谷には「十分に可能性がある」と断言する。メジャーでの自己最多は2021年の26盗塁だが、今季は走塁面にも力を入れており、数字を一気に増やす可能性は高い。さらに、新井氏はドジャースに移籍したことで、生まれるメリットもあると見ている。

 エンゼルス時代は勝負を避けられる場面もあり、フラストレーションが溜まる打席が多かった。だが、ドジャースで大谷の後を打つ3番・フリーマンは2020年のナ・リーグMVPで3度のシルバースラッガー賞に輝く強打者。その他にも好打者が並ぶだけに「今年は大谷だけを警戒するわけにはいかない。相手バッテリーは“ドジャース打線”と勝負することになるので、大谷は昨年より打撃成績(打点、本塁打、打率)を伸ばせる環境にいるのではないでしょうか」と昨年以上の結果を残すと見ている。

 開幕戦で本塁打こそ出なかったが、2安打1打点1盗塁と上々の新天地デビューを果たした。「手術の影響も感じさせない。より力強くなった姿を今後も見せてくれるはず」。世界一を目指すドジャースの一員として2024年シーズンは“打者・大谷”の活躍に期待が高まる。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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