松井裕樹の課題はピッチクロック違反? 評論家は「心配ない」も…“多発”したワケ

ドジャース戦に登板したパドレス・松井裕樹【写真:ロイター】
ドジャース戦に登板したパドレス・松井裕樹【写真:ロイター】

ダルビッシュは2年ぶり4度目開幕投手で4回途中1失点

■ドジャース 5ー2 パドレス(20日・高尺スカイドーム)

 パドレスのダルビッシュ有投手が20日、韓国・ソウルの高尺スカイドームで行われたドジャースとの開幕戦に先発。3回2/3を投げ2安打1失点(自責0)で降板し、勝敗はつかなかった。。新加入の松井裕樹投手も2/3回を無失点と上々のデビューを飾った。この試合はピッチクロック違反が多くあったが、メジャー解説者の新井宏昌氏は「投手だけの責任ではなく捕手との呼吸。そこまで懸念材料にはならない」と分析した。

 開幕戦で日本人投手が上々の結果を残した。2年ぶり4度目の開幕マウンドとなったダルビッシュは、3回2死から大谷に右前打を浴びるなど2死満塁のピンチを背負うも、マンシーを空振り三振に仕留め無失点。4回には味方のエラーも絡み1点を失うも、4回途中1失点にまとめて降板となった。

 際どいコースをストライクに取ってもらえず計72球を費やしたが、最速95.8マイル(約154.2キロ)の直球は威力十分。緩急を付けたカーブなど変化球の制球も、イニングを追うごとに安定していた。新井氏も「37歳だが、年齢を感じさせない投球内容。心配することはない。残り4勝となった日米通算200勝は通過点でしょう」と合格点を与えた。

 また、今季から加入した松井は1点リードの6回1死から4番手として登板。先頭のアウトマンに四球を与えたが、続く代打のエンリケ・ヘルナンデスから空振り三振を奪うと、ラックスを左飛に抑え無失点で切り抜けた。昨年のWBCではメジャー球に苦戦し、抜け球が多く見られたが「しっかり対応できていた。スライダーのように落ちるフォークも有効で右打者にも通用する。リリーフの一員としてベンチも手応えを感じた投球内容ではないでしょうか」と、メジャー初登板で本来の実力を発揮できたことを評価した。

大谷翔平は昨年、ピッチコム利用「リズムが崩れるなら投手主導でも」

 一方で、ピッチクロック違反を指摘する声もあったが、新井氏は「そこまで心配ない」と見ている。楽天時代は投球間隔が長く、この日も先頭のアウトマンにはカウント2-1からの4球目にピッチクロック違反をコールされ、1ボールが追加。最終的に四球を与える場面があった。

「もちろん、対応しなければいけないが、これはバッテリーの共同作業。松井は(秒数が)ギリギリの場面が多かったが、捕手の(ピッチコムで)サインを出すタイミングが遅い時が多々見られた。松井だけではなくダルビッシュ、5番手のペラルタも違反がありました。これは試合を重ねて慣れていく。スプリングトレーニングでもそこは練習しているはずです」

 昨年、大谷はピッチクロック対策として捕手からサインを受けず、自らサインを出していた。この試合ではパドレスの捕手・カンプサノが主導していたが「タイムに追われ投球リズムが崩れるなら、大谷のように投手主導でもいい」と指摘する。

 それでも、ダルビッシュと松井の日本人投手が開幕戦で好投を見せたことはチームの収穫になったはず。新井氏も「ダルビッシュは修正しながら貫禄ある、さすがの投球内容。松井に関してはいいスタートを切れた。今後も期待できるのではないでしょうか」とエールを送っていた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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