「盗撮対策」で大阪桐蔭チアが“変化” 消えたスカート…部員に残る複雑な思い

今年の選抜から大阪桐蔭チアリーダーの衣装が変更となった
今年の選抜から大阪桐蔭チアリーダーの衣装が変更となった

野球部と“ほぼ同じ”デザインにこだわり「チア部の色を入れました」

“ほぼ同じ”ユニホームで球児とともに戦った。第96回選抜高校野球大会は22日、第2試合で大阪桐蔭(大阪)が北海(北海道)を7-1で破り初戦突破。スタンドでは、全国屈指の強豪校の応援団に大きな変化が起きていたが、背景には様々な思いがあった。

 この日は一塁側のアルプス席に陣取った大阪桐蔭応援団。チアリーダーたちは昨年までスカートスタイルだったが、今大会から野球部のユニホームを模したデザインで、ショートパンツのコスチュームに変更された。この傾向は大阪桐蔭だけではない。広陵(広島)、健大高崎(群馬)でも同様の“ユニホームスタイル”を採用している。

 大阪桐蔭のチアリーダーが衣装を変更したのは、昨秋の近畿大会から。女子チアリーダー部の平田仁美顧問は「これまで盗撮対策として、スカートの下にスパッツを履かせていました。しかし、それでは夏には暑すぎるので、夏へ向けてこのユニホームを作りました」と経緯を説明する。

 トップスは野球部のユニホームとほぼ同じだが、「TOIN」の文字にピンク色のふちどりを施しているところだけが違う。平田顧問は「野球部の先生と相談して、同じデザインで作りたいとお願いしました。ただ、チア部のカラーであるピンクを入れさせてもらいました」とこだわりを明かす。

 部員たちは衣装の変更を前向きにとらえているが、伝統が変わることへの寂しさもある。部長の橋野結愛(ゆあ)さん(3年)は「すごく気に入っています。ただ、野球部と一体感のあるこのユニホームが好きという声がある一方で、昔からあるスカートスタイルを大事にしたいという思いもあります」と複雑な胸の内を明かした。

 今後については、夏はユニホームスタイル、春は従来のスカートにスパッツを着用する予定だという。女子高生たちが好きなスタイルで、思う存分応援できるように、観戦マナーの徹底が求められる。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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