NPB去った元2冠助っ人「最後は母国で」 引退から1年半…描く未来「日本でコーチも」

取材に応じた、巨人やDeNAで活躍したホセ・ロペス氏(写真はスクリーンショット)
取材に応じた、巨人やDeNAで活躍したホセ・ロペス氏(写真はスクリーンショット)

巨人、DeNAで通算198本塁打、588打点のロペス氏は2022年10月に現役引退

 巨人、DeNAでプレーし、2022年10月に自身のインスタグラムで現役引退を表明したホセ・ロペス氏は現在、アリゾナ州フェニックスの自宅で家族との穏やかな時間を過ごしている。Full-Countのインタビューに応じ、引退を決めた背景や、将来的な指導者への思いなどを明かした。

 2020年限りでDeNAを構想外となり退団したロペス氏は、2021年には母国ベネズエラのウインターリーグでプレーし、2022年に引退を決めた。「最後は自分の母国、家族がいるところで終わりたかった。1年やると決めて状態もよかったが、チーム事情もあって毎日プレーできなかった。それもあって、これだと続けてもなと思い、簡単な決断ではなかったですが家族と相談して辞めようと決めました」と当時の心境を振り返った。

 それから1年半。現在は「現役時代にあまり一緒に過ごせなかったので、取り返すために」と家族との時間を最優先に過ごす。時間が合えば家族旅行にも出かけ「メキシコには4回くらい行ったし、オーランドやシアトル、ベネズエラも……色々と行きました」と幸せそうな笑みを浮かべた。

 野球との関りは、ほぼない。引退後に右肩痛を発症し「投げられないんです。普通の生活は問題ないですが、右肩を使った動きはできない。治す方法を探しているところです」というのが現状だ。

家族で大好きな日本…17歳の長男は昨年11月に空手の黒帯に

「まずは右肩を治さないといけない」としたうえで、思い描いた“将来像”がある。「いつか子どもたちに野球を教えたい。個人のコーチでもいいですし、米国か日本か分からないがプロ球団のコーチも1つ選択肢にはあります」。

 メジャーでも球宴に出場するほどの選手だったロペス氏は、2013年に巨人に入団。2015年からDeNAに移籍した。NPB通算993試合で打率.274、1001安打、198本塁打、588打点。2017年には打点王と最多安打の2冠に輝き、計5度のゴールデングラブ賞を獲得するなど攻守で存在感を示し、「チャモさん」の愛称で親しまれた。

「日本でコーチをやりたい気持ちはやはり、日本で過ごした日々がよかったし、それを還元したい気持ちがあるからです。それに何より、日本にまた戻りたい、家族とまた戻りたいという気持ちがあります」

 日本を愛し、いつも“第2の故郷”を思う。17歳になった長男は昨年11月に空手で黒帯を取った。今も日本で食べた焼肉が忘れられないそうで、しっかりと“魂”が受け継がれている。オンラインインタビューの最後、「お時間をつくっていただきありがとうございます」と伝えると「こちらこそ、気に掛けてくれてこのような場をつくってくれてありがとう」と画面の向こうでペコリと頭を下げた“チャモさん”。今もファンに愛される理由が詰まっていた。

(町田利衣 / Rie Machida)

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