恐怖だった日本文化「蛇を食べるんじゃ…」 必要な順応性、最強助っ人が成功できたワケ

巨人、DeNAでプレーしたホセ・ロペス氏(写真はスクリーンショット)
巨人、DeNAでプレーしたホセ・ロペス氏(写真はスクリーンショット)

フィリーズからオファーも…2013年に来日のロペス氏「巨人の方がチャンス」

 巨人、DeNAでプレーしたホセ・ロペス氏は、メジャーでの球宴出場という実績を引っ提げて2013年に来日した。計8年間のNPB生活でも、2冠王や5度のゴールデングラブ賞など輝かしい功績を残した。Full-Countのインタビューに応じ、成功した要因や、外国人選手が異国の地で活躍するために必要なことを説いた。

 2000年にマリナーズ入りし、MLBでは計1036試合に出場した。来日のキッカケは、2012年オフのこと。「フィリーズからオファーがあったが、契約内容がメジャーのキャンプ招待で、保証がなかった。同じ時期に巨人と楽天からオファーがあり、巨人はフィリーズと同じ額、巨人の方が1軍でプレーできるチャンスが大きかったので、巨人に決めました」。

 しかし、来日時に日本の情報はほぼ持っていなかった。「蛇を食べるんじゃないかと、食事面の怖さはありました」と笑って振り返るが、もちろん杞憂に終わる。野球面でも「メジャーで実績があるからといって同じようにするわけではなく、日本の野球を学んで、そこから自分が順応していく意識でいたので苦労はなかったです」という“心持ち”がすんなり馴染むことにつながった。

 メジャーでいくら実績があっても、必ずしも日本で成功するわけではない。NPB通算993試合で打率.274、1001安打、198本塁打、588打点、2017年には打点王と最多安打の2冠に輝き、計5度のゴールデングラブを獲得したロペス氏は言う。

「僕が思うには、メジャーリーグでのことはいったん忘れて、日本に来たら日本の文化や野球にまず順応する意識が一番大事。それは日本だけではなく、どこの国に行っても同じことだと思います」

順応性に加えて勉強熱心な姿勢も「投球をずっとチェックして研究」

 プライドもあるだろうが、“郷に入れば郷に従え”。ロペス氏自身も、日本の野球を受け入れることに重点を置いた。また「日本の投手を研究した。ビデオを送ってもらって、どの投手でもいつでもどこでも見られるような状況にして、どういう投球をするのかずっとチェックして研究していました」という勉強熱心な姿勢も大きかったのだろう。

「日本人はみんな教育がしっかりしている。お互いを尊重し合って、おもてなしの文化でもある。誰に対してもそういう気持ちを持ってくれているというのが一番気に入っている。レストランとかに行ってもサービスが凄くいいし、おもてなしをしてくれるのが好きでした」。今も日本を深く思い、まだ実現するかは未定ながら夏頃の来日計画も描いているのだという。

 数々の記録を打ち立てた野球人生の中で「メジャーでは最後落ちたりしたけれど、約8年間プレーできた。日本での8年間も、怪我以外はほぼ1軍で試合に出ていた。それが一番誇れることだね」と胸を張るロペス氏。日本を受け入れ、愛したことで“最強助っ人”は誕生した。

(町田利衣 / Rie Machida)

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