精彩欠いた中軸「内容が悪すぎ」 専門家が懸念…指摘する「ほど遠い」打撃

阪神・岡田彰布監督【写真:矢口亨】
阪神・岡田彰布監督【写真:矢口亨】

4安打完封負け…森下、大山、佐藤輝のクリーンアップは無安打

■巨人 4ー0 阪神(29日・東京ドーム)

 阪神は29日、巨人との開幕戦(東京ドーム)に0-4で敗れた。森下、大山、佐藤輝のクリーンアップが無安打に封じられ、4安打完封負け。野球評論家の新井宏昌氏は「他球団も研究し、今年は去年のように四球は多く取れなくなる。中軸が自分の打撃をできなければ苦しくなる」と指摘した。

 球団史上初の連覇を狙う虎のスタートは、まさかの完封負けだった。3回1死一、二塁の好機で森下が放った右中間へのライナーは右翼・梶谷の好守に阻まれた。一走・中野が戻れずに併殺に終わると、試合は巨人のペースに。先発の青柳が5回につかまった。1死三塁で佐々木の遊ゴロが野選になり先制され、梶谷に痛恨の2ランを食らった。

 巨人投手陣を攻略できなかった打線。中軸が精彩を欠き、4番・大山、5番・佐藤輝の2人で計5三振を喫した。新井氏は「まだ、開幕の1試合だが中軸の内容が悪すぎた。特に大山と佐藤輝は本来の姿ではなかった、どうしたんだ? というぐらいにボール球に手を出していた」と語る。

 オープン戦終盤を欠場し、病み上がりの大山に関しては「本来のスイングではなく、外のボール球を無理やり引っ張るような姿が見えた。まだ、野球になっていない。昨年、好調だった時とはほど遠いのではないでしょうか」と解説。佐藤輝についても「ボール、ストライク、直球、変化球と、どんな球でも強振する。これなら投手はやりやすい。言いようがない打撃でした」と苦言を呈した。

高卒3年目の前川が3打数1安打「レギュラーとしてやっていける」

 ただ、近本、中野の1、2番は計3安打を放つなど、状態の良さを感じさせた。“左翼争い”を制した高卒3年目の前川も3打数1安打「今年も戦い方は昨年とそれほど変わらない。1、2番の出塁は良かった。6番の前川も今日の内容をみれば、レギュラーとしてやっていける」と太鼓判を押した。

 昨年は岡田監督が四球の査定ポイントアップをフロントに直談判。これも奏功し、リーグトップの494四球を選び、得点力をアップさせた。だが、新井氏は「今年は特に7、8、9回を投げる投手はどんどん勝負してくる」と予想する。だからこそ「1球で仕留める打撃が求められる」とし、大山、佐藤輝ら主軸の打撃が連覇の鍵を握ると見ている。

 開幕投手の青柳は5回5安打3失点。梶谷の一発に泣いたが「内容はそこまで悪くない。勝ちパターンの投手は投げていないが、投手陣は十分にやっていける」と期待を込める。今年初の“伝統の一戦”は黒星発進となり「大山の状態は心配ですが、明日から切り替えていけばいい」。29日の2戦目は左腕・大竹が先発。開幕戦で無安打に終わった中軸の奮起に期待したいところだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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