開幕2戦連発→9戦打率.135…急失速のDeNAドラ1度会 「芯を持て」名伯楽が送る“金言”
度会はOP戦新人史上2人目の首位打者→開幕から全11試合で「1番・右翼」
DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手は、ここまで全11試合に「1番・右翼」で先発出場を続けている。開幕戦でいきなりプロ初アーチとなる3ランを放つ衝撃デビューを果たせば、翌日には2号2ランを含む4打数4安打の大暴れだったが、その後9試合で打率.135(37打数5安打)と急失速。田代富雄打撃コーチは「自分の芯を持って乗り越えるしかない」と説いた。
度会はオープン戦で打率.434(53打数23安打)をマークして、新人では史上2人目の首位打者に。出塁率.434、OPS.955でリードオフマンの座をゲットしていた。当然のことながら研究され、マークはきつくなるプロの世界。開幕から2週間を迎え、一つの正念場を迎えているといえるだろう。
1997年に横浜ベイスターズで指導者となってからユニホームを着続け、楽天や巨人なども含めて数々の打者を育て上げた69歳の“名伯楽”田代コーチは言う。「神経質になることはない。俺もそうだったけれど、しつこい攻め方をされても結局はボールはゾーンに来るんだから、あまり難しく考えない方がいい。今まで打てたんだから、あとは考え方だけ。配球なんかは頭の隅に置いておいて、その中で自分の打撃をやることが大事だね」。
名選手になるために、必ず乗り越えなければいけない“壁”でもある。「俺たちもアドバイスはするけれど、グラウンドで自分の力を出すためにはどういう考え方をしたらいいのか、精神面はこの世界は自分でやっていかないと。ここはプロだから、相手も必死。そうやっていかないとメシは食えない」と、あくまで大切なのは自分がどうするかだと強調した。
田代コーチも若手時代、シーズンを通して結果を出し続ける大切さは痛いほど感じたそうで「タフだったね。気持ちがバテた」と振り返る。そんなときに支えとなったのは自分の持っていた“芯”の部分。「自分がブレないような言葉を見つけるとかでもいい。そうやって乗り越えていくんだよ」と明かした。
10日の中日戦では、齋藤から中前打。それまで対左腕は16打数1安打と苦戦していただけに、明るい兆しも見えた。横浜高時代は指名漏れを経験しながら、ENEOSでの3年間で3球団が競合するまでに成長を遂げた21歳。田代コーチも「ベンチで見ていても切り替えはうまいよ。根っからのものなのか、意識してやっているのかは分からないけどね」と驚くほどの逸材だけに、きっとこの試練も乗り越えていくだろう。
(町田利衣 / Rie Machida)