負傷離脱も狙う“早期復帰” 打率.347も100%でないと「通用しない」…西野真弘の信念

オリックス・西野真弘【写真:北野正樹】
オリックス・西野真弘【写真:北野正樹】

オリックス、西野「またか……と、自分で思うこともあります」

 気力を失わず、前だけを見る。4月21日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で負傷交代したオリックス・西野真弘内野手が24日、大阪・舞洲の球団施設でリハビリを含むトレーニングを再開した。明るい表情の中で「もどかしさ、悔しい気持ちしかありません。いつもね……。(打撃)状態の良い時に怪我をしてしまうので、またか……と、自分で思うこともあります」と唇を噛んだ。

 21日の走塁時に右太もも裏に強い張りを訴え、途中交代。大事を取って、翌22日に出場選手登録を抹消された。2年連続で開幕スタメンの座を勝ち取った今季は、負傷離脱するまで17試合に出場し、打率.347、3打点の活躍を見せていた。

「絶対、怪我なんかしたくなかったです。でも、試合で(力を)抜いてプレーするのは、僕のプレースタイルじゃない。全部を全力でやりたい。じゃないと通用しないと思っているので。もちろん、悔しいし、早く戻りたいですよ」

 プロ10年目の33歳は「(考え方は)ものすごく変わってきましたね。今までの若い頃とは違って、チャンスが多くあるわけではないので。ここ何年か、ずっと少ないチャンスの中でも試合に出させてもらったり、ファームで過ごしたりも経験している。必死にやるしかない。試合に出られる楽しさを感じていたので、なおさらですね。1打席を無駄にしたくないなと思っています」と力を込めるばかりだ。

 幸いにも、重傷ではなさそうだ。「ずっと良い感じで今までやって来れていた。体のキレも良かったですし、良いパフォーマンスにつながっていました。ただ、自分で調子が絶好調とか不調だとかは、あんまり言いたくなくて……。この1週間すごく良かった、とかは考えないようにしています。目の前の試合、1試合を必死にプレーすることの積み重ねだと思っているので」。

 開幕直後、チーム全体が苦しむ中、打撃陣を牽引した。「みんなの状態は絶対に戻ってくると思っていました。だからこそ、そこ(の期間)でなんとかしたいという気持ちでした。次は僕が(好調の)波に乗っていければなと思います」。気迫の粘り、執念で生み出すヒット……。誰もが早期回復を祈っている。

○真柴健(ましば・けん)1994年8月、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年に日刊スポーツ新聞社へ入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間に「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者の卒業を決意。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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