「そりゃ勝てない」巨人・阿部監督が指摘したミス 9戦連続2点以下…得点力向上への課題

巨人・阿部慎之助監督【写真:矢口亨】
巨人・阿部慎之助監督【写真:矢口亨】

同点の4回無死一、二塁で送れず…中日に1点差競り負け

■中日 3ー2 巨人(24日・東京ドーム)

 得点力不足解消の糸口はあるか。巨人は24日、本拠地・東京ドームで行われた中日戦に2-3で競り負け、14日の広島戦(東京ドーム)以降、9試合連続2得点以下となった。この間の成績は2勝4敗3分で、阿部慎之助監督は「ピッチャーは頑張ってくれている。投手陣はこれを継続して、野手がなんとか打って点を取ればいいだけ。課題は明確ですよ」と語ったが……。(数字、成績は24日現在)

 今季トータルでも、1試合平均2.45得点は中日と並んでリーグワースト。これをリーグトップのチーム防御率1.82を誇り、リーグ最少の1試合平均2.20失点に抑えている投手陣が、カバーしているのが現状だ。

 そんな中で阿部監督はこの日、「バントもミスしているし、そりゃ勝てないですよね。そういう流れになってしまっているから」とワンプレーに言及した。

 2-2の同点で迎えた4回無死一、二塁の好機で打席に入ったのは、先発の赤星優志投手だった。まず初球の送りバントをファウル。カウント1-1となった後、真ん中高めの142キロの速球をバントして前へ転がしたものの、一塁の中田翔内野手がチャージして三塁送球。二塁走者・岸田行倫捕手が封殺された。後続の1番・門脇誠内野手、2番・オコエ瑠偉外野手も凡退した。

 対照的に、中日は同点のまま迎えた7回、無死二塁で山本泰寛内野手が送りバントを決め、1死三塁に。続く代打・大島洋平外野手がカウント2-1から内角低めのカットボールを空振りした際、岸田の牽制球が三塁走者・尾田剛樹外野手の足に当たり、ボールが転々とする間に決勝点を許した。

 送りバントの成否が勝敗を分けた格好だ。阿部監督は岸田の悪送球については「多分、相手の走者がギャンブルスタートして、打者が空振りしたので飛び出した格好になったのだと思う。あれは刺しにいったので、致し方ないですよね」と責めなかった。

二岡ヘッド「みんなにプレッシャーがかかっているのかな」

 阿部監督は今月2日の中日戦(バンテリンドーム)で、大城卓三捕手が2度、佐々木俊輔外野手と山崎伊織投手が1度ずつ送りバントを失敗し、結果的に延長11回サヨナラ負けを喫した際には「野球の神様が怒ったな」と表現した。

 就任1年目の今季は今のところ、確実に1点ずつ取りに行くオーソドックスな攻撃を展開している印象。それだけに選手にも“送るべきところは確実に送る”ことを強く求めている。

 一方、二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチは「チャンスはつくれている。全く打てていないわけではない。(チャンスで)みんなにプレッシャーがかかっているのかなという感じです」と語る。

 全22試合で4番を張っている岡本和真内野手は、打率.310、3本塁打13打点と申し分のない数字を残している。しかし、7人がスタメン機会を分け合っている「1番」はトータルで打率.167、出塁率.187。打率は「9番」に次いで低く、出塁率に至っては「9番」と並ぶワーストで機能していない。この日も今季4度目の1番を務めた門脇が4打数無安打に終わり、打線全体もつながらなかった。

 とはえ、巨人は首位に1.5ゲーム差の3位につけ、セ・リーグ全体も首位から最下位まで4.5ゲーム差にひしめいている。打線を立て直す時間はまだまだある。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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