米でも話題、今永昇太の迷回答 プロ1年目に見せたセンス…野球でまさかの“PK戦例え”

カブス・今永昇太【写真:Getty Images】
カブス・今永昇太【写真:Getty Images】

今永昇太はDeNA入団時、燕・原樹理とのライバル関係が注目されていた

 カブスの今永昇太投手が18日(日本時間19日)の本拠地・パイレーツ戦で7回4安打7奪三振無失点の好投を見せ、防御率0.84とした。メジャーデビューから9先発(オープナーを除く)ではメジャー歴代1位の数字だという。

 ここまで圧倒的な成績で注目の新人左腕だが、今永といえば入団会見での第一声の「ヘイ、シカゴ!」で米メディアのハートを鷲掴み。今月7日(同8日)のパドレス戦後には「最近寝起きが悪いので、(本拠地の)あの歓声をアラームにしたらスッキリ起きれるかなと思います」と語って報道陣の爆笑を誘うなどユニークな問答も話題となった。

 今永のワードセンスは2016年のDeNA1年目から光っていた。当時、今永のライバルとして注目されたのが、東洋大からヤクルトに入団した原樹理。ともにセ・リーグ球団からの1位指名で、ドラフト会議後には東都大学リーグの1、2部入れ替え戦で投げ合った経緯もあり、両者の“構図”は、たびたびクローズアップ。お互いに意識するコメントも発していた。

 プロ初白星を手にするのはどちらが先か――。ともに先発ローテに入りながらも、なかなか勝利をつかめない。原のデビュー戦は開幕3戦目の巨人戦、今永は開幕2カード目初戦の巨人戦。そこから両投手は中7日前後のペースで登板を重ねていった。

ライバルの燕・原が今永よりも先にプロ初勝利を挙げた

 お互い未勝利で4月を終えると、原は5月1日の巨人戦で待望の初勝利を手にした。デビューから6度目の登板だった。今永は「僕は負けているということは、そうなる理由がある。彼が勝てたのは、そうなる理由があったんだと思います」と現実を受け止めた。

 先を越された形となったが、その時点で今永の登板数は5試合(4敗)だった。「日付としては原樹理が先に勝ちましたけど、PK戦でいうと僕が後攻で蹴る番ですから」とニヤリ。自身も登板6試合目で勝てば負けではない。言い得て妙。まさかの“サッカー例え”で報道陣を笑わせた。

 実際に今永は登板6試合目となった5月6日の広島戦で7回無失点と好投し、勝利投手となった。ちなみに“サドンデス”に突入していたPK戦は、今永が初勝利から5連勝し、原は2連勝。今永が勝ったということになる。

 DeNA在籍時から今永の独特なコメントは「今永語録」として野球ファンから愛されていた。そして今、カブスの番記者が「投げる哲学者」のコメントを楽しみにしていることだろう。元DeNA担当として容易に想像できる。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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