援護点に恵まれない中日・小笠原の“真実” 専門家が冷静分析「変身するかも」

巨人戦に登板した中日・小笠原慎之介【写真:矢口亨】
巨人戦に登板した中日・小笠原慎之介【写真:矢口亨】

中日・小笠原慎之介が今季2勝目をマークも援護点のなかった理由

■中日 4ー2 巨人(22日・東京ドーム)

 中日・小笠原慎之介投手は22日、敵地・東京ドームで行われた巨人戦で2勝目(3敗)を挙げた。今季は好投しても味方打線の援護に恵まれないケースが続き、前回登板まで5試合連続で登板中の援護点が「0」。この日の6回にようやく、通算44イニングぶりの援護を受けた。

 小笠原は試合前の時点で、1試合(9イニング)あたりどれだけ援護を受けたかを示す「援護率」(援護点×9÷援護回)が今季1.08。完投したとしても、味方には1点しか取ってもらえない計算だった。

 そんな中、この日は初回先頭打者の丸佳浩外野手にいきなり右翼席へ先制ソロを被弾。3回にも岡本和真内野手に左犠飛を許し“敗色濃厚”のパターンに陥った。

 ところが、5回の小笠原自身のプレーが試合の流れをガラリと変える。無死一塁で吉川尚輝内野手のバントが小フライになると、マウンドから猛然と駆け降りダイビングキャッチ。胸を人工芝に強打する激しいプレーだった。かつて1995年5月24日、同じく東京ドームで巨人・桑田真澄投手(現2軍監督)が小飛球をダイビングキャッチして右肘を強打し、側副靭帯断裂の重傷を負いトミー・ジョン手術に至ったことさえ、思い出させるプレーだった。

 現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「投手のダイビングキャッチというのは、なかなかありません。あの姿を見せられて奮起しない野手はいないでしょう。潮目が変わりました」と指摘。実際、中日打線は6回の攻撃で3点を奪って逆転し、小笠原に6試合ぶりの白星をもたらした。

「3者凡退で終われない投手」は援護点が少ない?

 それにしてもなぜ、小笠原にはこれまで援護がなかったのだろうか。野口氏は「小笠原自身に原因があるようには見えませんでした。この日こそ制球に苦しんでいましたが、前回登板の15日の阪神戦(8回無失点)などは素晴らしい投球でした。捕手のサインに首を振ることはあっても、周りのリズムを悪くするほど投球間隔が長かったわけではありません」と首をひねる。さらに「単純に相手投手が良かったのかもしれませんし、もしかしたら、あのダイビングキャッチをきっかけに、サポートの多い投手に変身するかもしれませんよ」と分析した。

 理由があって援護の少ない投手というのも存在するという。野口氏は「たとえば、3者凡退で終われない投手とかね。簡単に2死を取ってから走者を出してしまう投手は、結果的に0に抑えて防御率が良かったとしても、なかなか勝ちがつかない傾向があると思います。そういう投手に限って、味方がようやく1点を取ってくれた次の回に、あっさり追いつかれてしまったりする。これが続くと、野手はどうしても『またか』とうんざりした気持ちになります」と分析する。

 小笠原は22日終了時点で、防御率1.81のリーグ5位。援護点「0」の呪縛から解放され、ここから白星街道を突っ走りたい。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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