渡辺監督代行は「まさに男気の人」 “戦犯扱い”だった元教え子は「本当に救われた」

元西武のG.G.佐藤氏【写真:小林靖】
元西武のG.G.佐藤氏【写真:小林靖】

G.G.佐藤氏は西武時代に渡辺監督のもとでプレーした

 西武は28日から渡辺久信監督代行(兼ゼネラルマネジャー)が指揮を執った。西武で8年間プレーしたG.G.佐藤氏(本名・佐藤隆彦)は、2008〜2011年まで渡辺監督のもとで一緒に戦った。2008年には北京五輪で痛恨のエラーを犯した佐藤氏に対し、チーム合流後には男気のある態度で接し「本当に救われた」と回顧した。

「まさに男気の人、でしょ」

 かつて渡辺監督の指揮下でプレーした佐藤氏は即答した。佐藤氏は2008年8月の北京五輪で痛恨の3失策。「世紀の落球」と批判を浴び、日本のメダル逃しの戦犯とされた。

 五輪が終わり、チーム合流後は周囲から「腫れ物みたいな状態だった」という佐藤氏に対し、渡辺監督が声をかけてきた。「あんなことがあったけど、俺はGGのことを信頼しているから。またいつも通りいくぞ」。サラッと話したという。

「本当に救われた。試合前の軽い感じの会話で、ほんの二言三言のやりとりだけど、すごく嬉しかったのは覚えています。自然体で。めちゃくちゃカッコいいよね。俺の気持ちを汲んでくれたんだと思います。そのあと、怪我しちゃったんだけど、胴上げしたいと思わせてくれた監督でした」
 
 今季の西武は開幕からつまづき、3・4月で8勝18敗といきなり借金10を背負った。5月も7連敗を喫するなど7勝12敗と黒星が先行した。15勝30敗、首位ソフトバンクと15.5ゲーム差の最下位で交流戦開幕を迎えた。

 渡辺監督代行は2008年から2013年まで監督を務め、2008年にリーグ優勝に導き、巨人との日本シリーズを制するなど、6年間でAクラス5度と手腕を発揮した。佐藤氏は「代行とはいえ、11年ぶりの監督ですよね。当時とは子ども達の教育方法とかも変わっているから、どんなナベさんになるか楽しみ。まだ5月ですから。簡単ではないけど、巻き返す可能性はあると思いますよ」。

 “男気監督”が立て直す西武の反撃に期待した。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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