「前は正直、なあなあだなと…」5年ぶり復帰から1か月 筒香嘉智が感じたDeNAの“変化”
「ダメなことはダメと言えるようになっている」
5年ぶりに日本球界に復帰したDeNAの筒香嘉智外野手。5月6日に1軍に昇格してから間もなく1か月となる。チームは現在5位ながら、首位とは3.5ゲーム差。渡米前の2019年まで5年間に渡ってキャプテンを務めた男は、帰ってきたチームに何を思うのだろうか。
ここまで20試合に出場して打率.236、4本塁打、9打点、OPS.785。成績以上に、チームの柱としてその存在は大きい。初出場となった5月6日のヤクルト戦で決勝の逆転3ランをマークするなど、4本塁打を放った試合は4戦すべて勝利。打点を挙げた試合も4連勝中(5勝1敗)となっている。貪欲に勝利を求める筒香は、率直な思いを口にした。
「凄くいい選手たちだなと思いますね。ダメなことはダメと言えるようになっている。前は正直、なあなあだなと思うことも多かったんですけど、走っていない選手がいたら選手同士でちゃんと『走れ』と言える。そういうのは凄くいいんじゃないかな。みんな率先してやっているように感じます」
実はファーム調整中、1軍の結果は気に掛けていたがあえて映像は見ないようにしていた。理由は「先入観を持ちたくない」。以前ともに戦っていた選手は減り、新しいチームに飛び込むという思いが強かったからだ。そして実際に自分の目で見た選手たちの姿には、頼もしさも感じていた。
自身が主将の座を引き継ぎ、昨季まで4年間務めた佐野恵太外野手には「昔は若かったけど、深みが増した。チームのことを凄く考えるようになった」と目を細める。また「戸柱さんとかも、若い子たちに積極的にこれはこうなんちゃうかって言っている。前もチームのことを考えていた人だったけど、そういうのを見て凄くいいなと思いました」とうなずいた。
交流戦は2カードを終えて3勝3敗発進。セ・リーグ初の交流戦連覇、さらには12球団で最も遠ざかるペナント奪回へ――。日本復帰の際に古巣を選んだのは、優勝というやり残したことがあったからだ。「可能性はあると思う。伸びしろのある子が多い」と話す新たなチームメートとともに、筒香はバットを振る。
(町田利衣 / Rie Machida)