定位置奪取へ躍動するロッテ23歳 持ち味は“超攻撃スタイル”…進化示す.128

ロッテ・友杉篤輝と小川龍成(左から)【写真:小林靖、岩本旭人】
ロッテ・友杉篤輝と小川龍成(左から)【写真:小林靖、岩本旭人】

二遊間のレギュラーへ前進…台頭するロッテ・友杉篤輝と小川龍成

 ロッテの23歳・友杉篤輝内野手と26歳・小川龍成内野手が、今季途中から二遊間で出場機会を増やしている。小川が5月30日の阪神戦でサヨナラの押し出し四球を選べば、6月1日の同戦では友杉が9回2死から同点打。19年ぶり11連勝にも貢献した。今回は、友杉と小川の成績や球歴に加えて、各種の指標に基づく打者としての特徴を紹介する。(成績は6月11日の試合終了時点)

 友杉は天理大から2022年ドラフト2位で入団。プロ1年目は開幕1軍入りを果たし、藤岡裕大内野手と併用されながら64試合出場で打率.254をマークした。シーズン最終盤は1軍登録を外れ、ポストシーズン出場も果たせなかったが、貴重な経験を積んだ。

 2024年は藤岡が二塁にコンバートされたこともあり、遊撃のポジションが空く格好に。開幕直後は友杉と茶谷健太内野手がポジションを争ったが、4月以降は友杉がレギュラーに定着。攻守にわたってチームを支える存在となっている。

 友杉は通算打率.255に対して通算出塁率が.288。打率と出塁率の差を示す「IsoD」が通算で.033と、四球を選ぶ頻度は少ない。ボールを選ぶというよりは、甘い球を積極的に打つスタイルの持ち主だ。本塁打は1本もなく、通算の長打率も.304と高くはない。一方で、三振率は2023年が.148、2024年が.128と低い。

 こうしたタイプの打者にとっては、本塁打を除くインプレーになった打球が安打になった割合を示す、「BABIP」という指標が重要となる。打者の場合は特性によってキャリア平均の数字が少なからず変動するが、一般的な基準値は.300とされている。友杉のBABIPは2023年が.303、2024年が.296と、いずれも基準値に近い数字となっている。

小川は昨年までの3年間で通算打率.111…新たなスタイルで向上

 小川は国学院大から2020年ドラフト3位で入団。1年目は20試合に出場も、6打数無安打に終わった。2年目は68試合に出場したが、打率.109。3年目の昨年は52試合で打率.150だった。昨年までの3年間で打率.111だった。

 今季は角中勝也外野手を彷彿とさせる、ファウルで粘って甘い球を捉える新たな打撃スタイルを習得。藤岡が故障離脱していた間は二塁手として先発出場を重ねた。

 通算打率.188に対し、通算出塁率は.286。通算のIsoDも.099と高水準だ。今季から取り入れた粘りのスタイルにも示されているように、じっくりと球を見ていくタイプの打者と言える。また、2024年の三振率は.167と、優れた水準にある点もポイントだ。

 2022年に本塁打を1本放っているものの、通算長打率は.219とかなり低い。長打率から単打の影響を省いた指標「ISO」も通算で.031と低くなっている。また、通算のBABIPが.245と、極端に低い数字になっている。実はキャリアを通じて非常に運に恵まれていなかったという側面が、新たに浮かび上がる。

 攻撃面での成長に加え、守備でも存在感を放っている若き二遊間コンビ。2人がレギュラーの座を手にし、鉄壁の守備を誇る名コンビとなるか。2人の若武者に、注目してみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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