再現性高まり「悪いときのレベル上がった」 日本ハム杉浦稔大、11年目32歳で遂げる進化

日本ハム・杉浦稔大【写真:小林靖】
日本ハム・杉浦稔大【写真:小林靖】

プロ11年目の今季、開幕から1軍に居続け25試合で防御率0.42

 日本ハムの杉浦稔大投手はプロ11年目の今季、25試合に登板して1勝0敗、2セーブ9ホールド、防御率0.42という驚異の安定感を見せている。直球の平均球速は、ここにきてプロ最速の150.4キロ。好調の要因を「野球がうまくなっているからですかね?」と笑う表情は、充実感に満ち溢れている。

 26日に大宮で行われた西武戦は、同点の8回に登板し3者連続空振り三振という圧倒的な投球を披露した。昨季は24試合、2022年は16試合登板に終わったが、今季は開幕から1軍で走り続ける32歳。「成長していますよ、当然。まだ終わる年じゃないですから」と目をギラつかせた。

 2013年ドラフト1位で國學院大からヤクルトに入団した身長190センチの大型右腕は、素材は元々天下一品だけに大きな期待をかけられていた。しかし毎年故障を繰り返し、背番号は「18」から「58」となり、2017年途中に交換トレードで日本ハムに移籍した。

 地元・北海道で、2021年には56試合に登板して28セーブを挙げる活躍を見せたが、以降は登板機会を減らしていた中で、今季の姿は“復活”とも“進化”ともいえるだろう。

「だんだん周りもいなくなって気付けば年下ばかり。しぶとく頑張ります」

「感じがよくなっているのはありますけど、あとは再現性は高くなっています。悪いときのレベルが上がって、落差が少なくなったかなと思います」

 これまでは調子の良し悪しの差が大きく、悪い時期に元に戻しきることができずに時間がかかっていたという。しかし納得のいく球を投げられる確率が上がったことで、これを大幅に改善。「交流戦の最後らへんで僕の中で悪い時期があったんですけど、大崩れせず、比較的早めに修正できた。そこの違いですかね」と明かした。

 2年連続最下位、5年連続Bクラスと低迷が続いているチームは、現在3位と奮闘中。2位から5位までは混戦模様で、勝負の時期に向けて経験豊富な杉浦の存在は必要不可欠だ。「まだまだこれからなので、これを続けていけるように」と頼もしく宣言した。

 32歳。まだまだ脂の乗った年齢ではあるが、若手の多いチームの中ではベテランと呼ばれる。「だんだん周りもいなくなって、気付けば年下ばかりなので。しぶとく頑張ります」。頼もしい男が、ファイターズのブルペンを支えている。

(町田利衣 / Rie Machida)

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