阪神・森下は「今のままでは難しい」 岡田監督が下した決断…23歳に必要な“意識改革”
3番で起用された森下は3打席凡退、5回の守備からベンチに下がる
■ヤクルト 6ー1 阪神(29日・神宮)
阪神は29日に行われたヤクルト戦(神宮)を1-6で敗れた。森下翔太外野手が3打席凡退し5回の守備から途中交代する場面も。虎の主砲として期待される2年目のホープに、野球評論家の新井宏昌氏は「一つのスイングでは結果を残すことは難しい」と分析した。
森下は交流戦後に岡田監督から直接指導を受け、打撃の意識改革を求められていた。新井氏も「時代によって打撃理論は変わっていきますが、根本的な部分を変える必要は感じます」と指摘。将来性を認め、チームを背負う打者として期待されているからこそ、早めの“メス”が必要だという。
「岡田監督がどのような指導をしたかは分かりませんが、一つのスイングだけでは難しいのは確か。常に自分のスイング、こだわったものをやっているように見えます。相手投手は打たせないように球種、ボール、スピードは変わる。極端に言えば1、2、3で自分のスイングをしてしまっている。いい打者は受け身の中で、色々なバット操作ができるのです」
ここまで勝負所での一打で勝利に貢献する試合もあり得点圏打率.305とリーグ2位の数字を残しているものの、今季は打率.235、6本塁打、30打点と目立った成績は残せていない。レギュラーとして中軸を担う選手としては「人気球団ではいかにも貢献しているかと思いがちだが、自慢できる数字ではない」と、言い切る。
3打席凡退で5回の守備から途中交代「期待できないとの判断」
この日も第1打席は外角直球を引っ掛け遊ゴロ、3点を追う3回2死二塁の第2打席でも、外角低めのカーブにバットは空を切り三振に倒れた。さらに5回の第3打席で二ゴロに終わると、その裏の守備から交代となった。試合中盤で3番打者がベンチに下がったことには「岡田監督も今日の内容では期待できないと判断したのでしょう」と、口にする。
第2打席まではヤクルトバッテリーの外角攻めに対応できず、強引な打撃内容が目立った。「逆方向という意識は感じらない。長打を求めて引っ張る意識しかない。これでは率は残せない」と指摘。第3打席は内角のスライダーに詰まり「追い込まれてから意識はセンター中心に変えた。だが、運悪く逆球(内角)にきてしまい捉えることはできなかった」と口にする。
「強く遠くに飛ばす長打を捨てる必要はない。ただ、長くレギュラーを張るには状況に応じた打撃も必要。彼に関して言えば、もう少し打球の角度が低くなればいい。右中間、左中間の間に低く強い打球を打つ。角度を付けて遠くに飛ばすのではなく、ライナーで外野の間、頭を超える打球を心がければ。タイプとして意識しなくても自然と本塁打は出るのですから」
ドラフト1位で入団したルーキーイヤーの昨季は94試合に出場し打率.237、10本塁打41打点をマークし、日本シリーズでは新人最多の7打点をマークし勝負強さを発揮した森下。“勝負の2年目”は自らの打撃スタイルを確固たるものにできるか、注目したい。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)