ド軍の本拠地に驚き…“クセ”強すぎのメジャー球場、日本とはまるで違う形状&スケール

ドジャー・スタジアム【筆者撮影】
ドジャー・スタジアム【筆者撮影】

元オリックス、巨人の投手だった鈴木優氏によるエッセイ

 元オリックス、巨人の投手で、現在はアメリカへ語学留学中の鈴木優氏による日米の野球カルチャーに関するエッセイ。今回は、日米の球場の違いを見ていく。

 昨年からアメリカでさまざまな球場を見てきたが、日本の球場とは異なる個性的な見た目、デザインの球場が多く驚いた。メジャーの球場を参考にして設計された「エスコンフィールドHOKKAIDO」を見て、アメリカの球場を見ることをアメリカ移住前から楽しみにしていたが、実際に見てみると、予想していたよりも、面白く興味深いものばかりだった。

 まず1つ目にあげるアメリカの球場の特徴はフィールドの広さだ。NPBの球場は比較的コンパクトで、フェアゾーンも狭い傾向にあるが、MLBの球場は一般的に広く、フェアゾーンの面積が大きいのが特徴のようだ。特に本塁からフェンスまでの距離が長く設定されている。そして最大の特徴は、左右が対称になっていない球場が多いことだ。

 現在、NPBで使われている球場は広島のマツダスタジアムと、日本ハムのエスコンフィールドを除いて、左右対称の丸い作りとなっている。それでも、見た目にわかる程の大きな差はない。

 だが、MLBの球場は、もっと極端な左右差がある。例えば「グリーンモンスター」で有名なレッドソックスの本拠地フェンウェイパークは、ボストン市街に購入できる土地の広さに限りがあったため、極端に左翼側のフェンスまでの距離が狭い構造になっている。ホームからレフトまでが約94.5m、左中間までが約115.5mあり、この間は膨らみの無い直線的な構造となっている。

 この左翼の短さでは、ホームランが乱発されてしまうことを懸念し、高さ約11.3mの壁を作ったのが「グリーンモンスター」だ。東京ドームの外野フェンスの高さは4.24mなので、いかに「グリーンモンスター」が高い壁なのかがわかる。

 また、ジャイアンツの本拠地オラクルパークは、左中間が約110.9mに対して、右中間は約128.3mもある。その差18メートルとなると、バッターで有利、不利があるのではないかと感じるレベルだ。さらに壁の高さは、左中間が約2.4mに対し、右中間は約7.6mとなっている。左打ち打者にとっては、ホームランが出にくい球場のようだ。

ドジャースタジアムが収容人数5万6000人も…米では82位の規模

 そして次にあげる特徴は、観客席の収容人数だ。MLBの球場は通常4万人以上の観客を収容できる大規模な球場が多い。大谷翔平投手が所属するドジャースの本拠地、ドジャースタジアムは最大で5万6000人収容が可能で、ヤンキースの本拠地ヤンキースタジアム(約5万4000人)やメッツの本拠地シティフィールド(約4万5000人)なども挙げられる。

 それでも、収容人数の多さでアメリカの他のスポーツが行われるスタジアムも含めて比べると、野球で1位のドジャースタジアムもなんと82位になってしまう。1〜81位は、アメリカンフットボールのスタジアムがほとんどで、1位のスタジアムの収容人数は、ドジャースタジアムの倍近い10万7601人! ミシガンスタジアム(ミシガン・ウルヴァリンズ、ミシガン大学の本拠地)だった。

 次にあげるのは、球場デザインの特徴だが、NPBの球場は野球以外にも使われることがあり、モダンで機能的かつシンプルなデザインが主流なのに対し、MLBは各球場が独自のテーマや歴史を持ち、ユニークな内外装になっているのが特徴だ。

 例えば、シカゴのリグレーフィールドは、ツタの絡まる外壁が有名であったり、エンゼルスのエンゼルスタジアムは、グランドキャニオンをイメージした岩のような大きなオブジェがバックスクリーン横にそびえたっているなど面白い。

 最後にファンサービスの違いについてあげたい。MLBのファンサービスでは、主にスタジアム内の施設が充実しており、試合以外の時間も楽しめる工夫がされている。スタジアムに子どもが遊べる遊具があったりと、家族連れでも楽しめる環境が整ってる。

 NPBのファンサービスでよくみられる試合前のサイン会やトークショーなど、直接選手と触れ合える機会は、MLBのオフィシャルの場では少なく、練習時間の合間に各選手が行う。このように、同じ野球ではあるが、国によって異なる球場や観戦文化がある。日本でもいろんな球場を訪れて楽しんでもらいたいが、ぜひテレビ中継だけではわからない本場アメリカの野球も実際に来て、体験してみてほしい。

(「パ・リーグ インサイト」鈴木優)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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