大谷翔平“効果”で広がった異様な光景 まるで本拠地…敵地番記者が忘れぬ伝説

アスレチックス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
アスレチックス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

オークランドで残した偉大な記録「間違いなく、一大事だったね」

 敵地にも関わらず青一色と言っていいほど、ドジャースファンで埋め尽くされた。2日(日本時間3日)から始まったドジャース-アスレチックスの3連戦は計8万1811人の観客を記録した。初日の2万1060人、2日目の3万5207人、3日目の2万5544人はオークランドコロシアムで今季のトップ3。同球場でプレーする最後の大谷翔平投手を目に焼き付けていた。

 ラスベガスに本拠地を移転するため、オークランド・コロシアムは今季が最後。大谷にとってはエンゼルス時代から思い出深い地でもある。初安打、初勝利、メジャー100号、史上初の“W規定”到達、日本人初の30本塁打&30盗塁――。いくつもの偉業をこの地で成し遂げた。

 アスレチックス番記者の目にも、大谷の活躍は焼き付いている。2018年からアスレチックスを担当するMLB公式サイトのマーティン・ガレゴス記者もその1人だ。メジャー初出場で集まった大量の日本メディア、大量の日本人ファンの光景が忘れられない。「日本人ファンがスタンドにたくさんいて、興奮が伝わってきたよ。間違いなく、一大事だったね」と当時を振り返る。

 今季からナ・リーグのドジャースへ加入し、このカードが移籍後最初で最後のオークランドでの試合となった。3戦目は無安打に終わったが、初日の第5打席で打球速度116.3マイル(約187.2キロ)、飛距離405フィート(約123.4メートル)の豪快33号3ラン。2日目には1試合3盗塁で30本塁打&30盗塁を達成した。

「特大の本塁打は本当に印象的だった。エンゼルス時代は、(同地区の)アスレチックスと対戦が多かった。間近で見てきた(アスレチックスの)選手やコーチは、彼の怖さを知っている」

 一方で、大谷はオークランドコロシアムについて「打撃ケージがないので難しい球場」と指摘していた。この球場はホームチームのクラブハウス横には室内ケージがあるが、ビジター側の打撃ケージは中堅の奥にある。そのため、試合中はケージで打って練習することができない。ガレゴス記者もこれには「敵軍にとっては、多少は不利になるだろうね。ホームフィールド・アドバンテージ(地元の利)ってやつだよ」と言いつつ苦笑いを見せる。

 球場にはエンゼルス時代の赤い大谷のユニホームをきたファンの姿もあった。同記者も「時が過ぎ、彼は自身がMLBで最高の選手だと証明した。ここでは、投打で活躍をしてきたんだ」と称賛。敵地・オークランドに残したインパクトは、移転しても消え失せるものではない。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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