パ・リーグが盛り上がるには…? 日米で“国際協議”、参加者も納得のビジネス講義

「パ・リーグビジネススクール2024」がオンラインで開催された【写真提供:PLM】
「パ・リーグビジネススクール2024」がオンラインで開催された【写真提供:PLM】

どうすればもっとパ・リーグが盛り上がる? 徹底議論を紹介

 7月12日にパ・リーグ6球団で働く球団職員とパシフィックリーグマーケティング(PLM)の社員を対象とした「パ・リーグビジネススクール2024」がオンラインで開催された。1年半ぶりの開催となったイベントには過去最多となる300人がエントリーした。

 パ・リーグビジネススクール(PBS)は国内外のスポーツビジネスの事例や一般ビジネスを学べる講座として2017年に開設。2020年6月からは、スポーツマネジメントの最先端の研究と実践を主導するマサチューセッツ州立大学アマースト校アイゼンバーグマネジメントスクール内の「マークH.マコーマックスポーツマネジメント学科」とPLMがパートナーシップ契約を締結し、特別講座が開催されるなど、人材事業の取り組みのひとつとしてパ・リーグ全体でスポーツビジネスを学ぶ取り組みに力を入れている。

 今回の講義では「パ・リーグのリーチの拡大と、ファンとの深い繋がりの構築」を主要テーマとし「北米のスポーツやエンターテイメントに関連する最新のトレンド」、「ファンの消費者行動に関する原理原則」、「2024年のデジタル視聴に関する分析」の3部門に分けて講義が行われた。

 また、デジタルファンの分析も行われた。デジタルファンの多くは「Z世代」と呼ばれる若い世代である。若い世代のデジタル行動を読み取っていくと、3時間近くある試合をライブで視聴することは少なく、ハイライトなど短く編集された映像を見る傾向にあることがわかる。とくに、動画クリエイターやインフルエンサーの動画がより視聴され、共有されている。このことから、ライブ配信以外の動画コンテンツの作成が重要であるとした。

 今回の講義は北米のスポーツファンを対象としたデータをもとに実例の紹介や分析が行われたが、日本のファンが同様な結果になるとは限らない。北米スポーツの取り組みをそのまま模倣するのではなく、講義での学びをヒントに日本野球の特徴やファンの人間性を理解したうえで独自の施策を行っていくことが重要であると主張された。

 講義後、参加者からは「新鮮な気付きはもちろん、個人的な経験則がアカデミックな分析に裏打ちされる部分もあり、楽しく有意義な時間を過ごすことができた」「ファンコミュニケーションの領域を専門的に研究されている方から講義を受けることができたため非常に良かった」などの声が集った。

(「パ・リーグ インサイト」藤井美月)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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