トラウト今季終了…エ軍に漂う悲哀 数人の記者、主力も沈痛「受け入れることは難しい」

エンゼルスのマイク・トラウト【写真:ロイター】
エンゼルスのマイク・トラウト【写真:ロイター】

トラウト今季絶望…ウォードも「本当に悲しいこと」

 エンゼルスタジアムに悲壮感が漂っていた。1日(日本時間2日)、エンゼルスのマイク・トラウト外野手が左膝の半月板損傷で今季終了となった。この日のペリー・ミナシアンGMは「来年戻ってきて70本塁打を放ってMVPを獲得するよ」。無理に明るく繕っているようだった。

 トラウトのシーズン終了が決まった日。クラブハウスにはお馴染みの地元紙オレンジカウンティ・レジスターのジェフ・フレッチャー、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のサム・ブラム両記者と他に数人のみだった。閑散としたクラブハウスが余計に虚しさを漂わせた。

 エンゼルスは7月終了時点で47勝61敗の借金14で地区4位に沈んでいた。トラウトだけでなく、アンソニー・レンドン内野手も負傷者リスト入り(IL)しており、チームは売り手に回ると言われていた。一方で、トレードで放出したのはカルロス・エステベス、ルイス・ガルシア両投手のみ。放出が噂されていたルイス・レンヒーフォ内野手、テイラー・ウォード外野手らはエンゼルス残留が決まった。

 トレード期限が終了し、ウォードも自らのプレーに集中できている。当時は「不安だった」と心境を吐露。さらにトラウト離脱についても「受け入れることは難しい」と本音を漏らす。「精神的に大きなダメージを感じているよ。彼もそう感じているだろうし、本当に悲しいことだよ。本当に気の毒だし、残念なことだ」と肩を落とす。

 チームは試合前に野手が円陣を組み、ローガン・オハッピー捕手、ザック・ネト内野手ら期待の若手たちは笑顔を見せていた。しかし、トラウトの今季終了が決まった日、チームは延長戦の末逆転負け。さらに8月にはレンヒーフォも右手首の手術でシーズンを終えた。

「ここにいれて嬉しいし、私はここで勝ちたいんだ」。記者の目を真っ直ぐ見て話すウォードの言葉に嘘はない。大谷も移籍後も何度も「エンゼルスの球団ももちろん好き」と話してきた球団。ただ、今年プレーオフ進出を逃せば10年連続。居心地のいい球団だけでは、ファンの心を満たすことはできない。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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