大谷翔平が激白、二刀流を「長く続けたい」 3度目手術なら…打者専念も想定「準備する」
大谷が28分間のインタビューで激白「二刀流というのを今までやってきて」
ドジャースの大谷翔平投手は9日(日本時間10日)、報道陣のオンラインインタビューに応じ、来季以降の二刀流継続への思いを激白した。2023年9月に右肘手術を受け、今季は打者に専念。来季は2年ぶりの投手復帰が期待される。ただ、決して楽な道のりではない。28分間の取材で発した言葉には、投打を続けていくことの難しさも感じさせた。
「自分の中では二刀流というのを今までやってきて、長く続けたいという思いはある。ただ、どちらかにせざるを得ないタイミングが、もし来たとしたら、どちらにしても対応できるような準備をしっかりしておく必要があるのかなと思います」
「年を重ねていくにつれて体の違和感であったり、技術や視力の低下であったり。そういうことは訪れる想定でいないといけないと思う。そこを想定しつつ。今できるパフォーマンスをしっかり上げていきたいというのはもちろんあります」
2018、2023年に右肘手術を受け、2019年に左膝。今年は左肩にメスを入れた。2018年からのメジャー7年間で計4度の手術。ただ、投打で高いパフォーマンスを見せる上で、怪我との闘いになることは前々から頭に入れていたという。
「若い時から怪我をする想定の中で体を作ることをやってきた。出力が高くなるということは慢性的な肘の手術が必ず起こる。そういう想定ではいたので。逆に言えば、そこを想定していたからこそ、ある程度、自分の中で柔軟に対応できたというのはあります」
「TJ(トミー・ジョン手術)に関しては、必ずするだろうなとは思っていた。それがメジャーの1年目だとは思っていなかったですけど、そこは必ずするとは思っていました」
2018年9月上旬に医師からトミー・ジョン手術を勧められたが、指名打者としてシーズン完走。日本人新人最多22本塁打を放ち、新人王へつなげたのは、この「想定」があったからかもしれない。
3度目の右肘手術なら打者専念か「2回目くらいまでが投手としては理想なのかな」
昨オフ、大谷はNHKインタビューで「投手としては2度目の手術なので、おそらくもう1度同じ症状になったら配置転換。他の野手、どこのポジションになるか分からないが、そういう風になる」と発言。もし3度目の手術が必要となった場合、投手を断念する可能性を示唆していた。これも「いろんなパターンを想定しておくこと」の一環だと言う。
「色々と想定をしていく中で、3回目(の手術)を受けるのは、希望としては、5年以上は伸びてほしいとは思っています。例えば、35歳を過ぎたあたりで3回目の手術をして復帰に1年かけて、というのが、正しい選択なのか。その時の、自分のコンディショニングにもよると思う。現実的に見れば、やはり2回目くらいまでが投手としては理想なのかなと思っています」
NPB時代から作り続けてきた二刀流。だが、「先発投手&指名打者」というのは絶対ではない。それ以上に求めるのがチームの勝利だ。
「今までDHと先発でやってきたので、もちろん、その想定ではいきます。ただ、どういう風に投げていくかというのは、その時のメンバーだったり、配置によって変わってくる。ポストシーズンを見据えながら、今年みたいに最後に勝つところを想定しながら、シーズン中はより組み立てていく必要がある。そこを見据えながら、チームと相談しながら、デザインしていくのが理想なのかなと思っています。ベースとなるのは2021年から2023年くらいの、どちらも規定に近いくらい出場するのが理想ではあると思う。臨機応変に対応できたらなと思っています」
前人未到の「54本塁打&59盗塁(54-59)」で悲願のワールドシリーズ制覇を果たした。「さらに上に行くために、モチベーションを高く保つためには、どのようなことをしているか?」。こんな報道陣の問いかけに、熱く言葉をつないだ。
「野球を始めてから、段階が進むにつれて見える可能性だったり、自分の進む可能性が少しずつ広がってきて。進めば進むほど『足りない、足りない』という野心みたいなのが増えていったという感覚なので。それにプラスして、最近、ここの3年とかのスパンで言うと、“足るを知る”みたいな。自分が十分足りているな、ありがたいなと思う部分が、周りの環境も含めて、多くなってきている。モチベーションをどう高くしようと思ったことは、ないですね」
「むしろ昔から進むにつれて(モチベーションは)高くなってきたなと。MVPをもらったからとか、今回優勝したからと言うのは一つの形でしかないので。一番大きい部分というのは、現役でいるうちに、どれだけ多く技術やフィジカルを自分の中で高めていけるか。趣味みたいな部分ではあると思う」
大谷が発する言葉の端々からは、誰よりも二刀流復活を心待ちにしていることが伝わってきた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)