突然の連絡「俺か…」 現役ドラフトで目指す“飛躍”…元ドラ1の覚悟「いい前例がある」

西武の入団会見に臨んだ平沢大河(右)【写真:宮脇広久】
西武の入団会見に臨んだ平沢大河(右)【写真:宮脇広久】

平沢大河、現役ドラフトに「俺か…と思いましたが、いい前例があるので頑張りたい」

 9日に行われた現役ドラフトは、2022年から始まり今回が3回目だった。これまでには、中日の4番に座り今季セ・リーグ外野部門ベストナインに選出された細川成也外野手、ソフトバンク時代の5年間は1軍出場がなかったが、移籍1年目の今季セ・パ交流戦MVPに輝いた水谷瞬外野手ら、見違えるような活躍をした例がある。今回成功の予感を漂わせているのが、ロッテから西武に移籍した26歳の平沢大河内野手だ。

 平沢は12日に埼玉・所沢市で入団会見を行った。同席した広池浩司球団副本部長兼編成統括は「内野、ならびに外野のレギュラー候補として獲得しました。まだまだ若いですから、きっかけをつかんで大ブレークしてもらいたい」と言葉に力を込めた。

 平沢本人も「通告された時には『俺か……』と思いましたが、いいきっかけになるかもしれない。(現役ドラフトには)いい前例があるので、自分もいい前例になれるように頑張りたい」と意気込んだ。

 平沢は2015年ドラフト1位で仙台育英高からロッテ入り。右投左打の走攻守そろった遊撃手として期待され、高卒1年目から1軍で23試合に出場し、打率.149(47打数7安打)をマークした。しかし成績は思ったように伸びず、今季は1軍出場なしに終わっていた。

 今季チーム打率.212、350得点がいずれも12球団ワーストだった西武では、打撃面への期待が大きい。平沢は「僕の特徴は出塁率が高いこと。打撃でチームに貢献できればと思います」とアピールする。広池氏は「ウチは得点力を上げることが課題。平沢選手は本人が言うように出塁率が高く、ファームではここ2年間、三振数より四球数の方が多かった。なかなかいないタイプです」と説明する。「本人によると『速い球を中心に、甘い球を見逃していた』とのことでした。だからこそ四球が増えている側面もありますが、今後は仕掛けながら、甘い球をとらえつつ出塁率を上げていければ、いよいよレギュラーが近づくと思います」と期待を膨らませた。

今季セ・パ両リーグで三振より四球が多かったのは、近藤と宮崎だけ

 確かに、平沢は今季イースタン・リーグで96試合に出場し、打率.216、2本塁打、19打点に終わったが、出塁率は.389と高く、45三振を喫する一方で59四球を選んだ。ちなみに、今季セ・パ両リーグで規定打席をクリアした47選手(パ23人、セ24人)のうち、三振数より四球数の方が多かったのは、ソフトバンク・近藤健介外野手(76三振、92四球)とDeNA・宮崎敏郎内野手(29三振、52四球)の2人だけだった。

 守っても複数ポジションを起用にこなすユーティリティプレーヤー。今季イースタン・リーグでは、外野手として35試合、二塁手として23試合、三塁手として14試合、遊撃手として5試合、一塁手としても5試合に出場した。

「僕としては外野でやりたいなと思っていますが、内野も外野も経験してきて、両方やれれば選択肢も、活躍するチャンスも広がる。両方やれるように準備します」と平沢。広池氏は「本人は最近、外野の方で自信をつかんでいるようですが、われわれとしては内野の選択肢を捨てないでほしいという話をしています」と説明した。

 西武では、過去に二塁手としてゴールデン・グラブ賞に2度輝いている外崎修汰内野手が、宮崎・南郷での秋季キャンプで三塁を守り、来季は本格的にコンバートされる見込み。遊撃の源田壮亮内野手以外は、レギュラーが流動化している。平沢が割って入る余地も十分ありそうだ。

(Full-Count編集部)

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