鷹が喪失した「924」 混沌の後継者争い、27歳の可能性示す“高指標”…連覇への課題
巨人移籍の甲斐は今季102試合に捕手で先発、海野は38試合でスタメンマスク
ソフトバンクから国内フリーエージェント(FA)権を行使した甲斐拓也捕手が、巨人へ移籍した。ゴールデン・グラブ賞7度を誇る絶対的な“扇の要”が流出。リーグ連覇を目指す来季は、誰が正捕手を務めるのか。データから検証してみる。
甲斐は今季12球団トップの924回2/3でマスクを被った。捕手として先発したのも12球団で最多の102試合。今季トータルで119試合に出場し、打率256、5本塁打をマークし、リーグ優勝に貢献した。
チームで2番目に多かったのが海野隆司捕手で、38試合に捕手で先発し、333回2/3でマスクを被った。トータルでは自己最多の51試合に出場。盗塁阻止率は甲斐の.291に対して.316だった。
セイバーメトリクスの観点からプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、守備貢献を示す指標「UZR」で、2人は同じ0.2。1000イニング当たりのUZRだと、0.6の海野が0.2の甲斐を上回っている。こうした観点からも、現有戦力では27歳の海野が正捕手候補と言えそうだ。
今季他に1軍で出場したのは27歳の谷川原健太捕手と33歳の嶺井博希捕手。谷川原は3先発、23イニングだったが、2軍では57試合で先発マスクを被った。嶺井は先発出場がなく、8イニング出場にとどまった。
24歳の渡邉陸捕手は2022年に捕手で16試合に出場(7先発)するなど計20試合で3本塁打を放ったが、この2年間は1軍出場なし。巻き返しに期待がかかる。このオフは甲斐に加え、現役ドラフトで吉田賢吾捕手が日本ハムに移籍した。甲斐の人的補償を含め、今後の捕手補強も注目される。果たして来季開幕戦では誰がマスクを被るだろうか。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。