“成功例”は3人だけの狭き門 2.3億円でアスレチックスと契約も…18歳に立ちはだかる壁
NPBを経由せずに日本から米挑戦…メジャー経験はマック鈴木、多田野、田澤
アスレチックスは15日(日本時間16日)、桐朋高(東京)の森井翔太郎投手とマイナー契約を結んだと発表した。高校通算45本塁打を放ち、投げては最速153キロを誇る右腕。二刀流が“夢”のメジャーに向けて大きな一歩を踏み出した。日本からNPBを経由せずに米球界に挑戦し、メジャーデビューを果たせばマック鈴木、多田野数人、田澤純一の3投手に続いて4人目となる。
過去にNPBを経由せずに米挑戦した主なアマチュア選手には、2002年にロッキーズにドラフト指名された坂本充外野手、2009年にナショナルズから指名された鷲谷修也外野手がいる。2人はともに高校卒業後に渡米して進学していた。また、2018年にはパナソニック・吉川峻平投手がダイヤモンドバックスとマイナー契約。ただ、いずれもメジャー昇格することなく引退している。最近では先月、25歳の迫勇飛(さこ・ゆうひ)投手がメッツとマイナー契約を結んだ。
マック鈴木はマリナーズ時代の1996年、NPBを経由しない初のメジャーリーガーに。MLB通算117登板で16勝を挙げた。多田野は渡米2年目だった2004年にインディアンスでメジャー初登板。通算15試合に登板した。
田澤はレッドソックス時代の2013年にワールドシリーズ制覇を経験するなど、通算388試合に登板した。この3人はメジャー切符をつかんだが、プロ野球経験がない選手にとって険しい道のりが待っているのは間違いない。
18歳の森井は「遊撃手兼投手」の二刀流での入団となる。全米野球記者協会に所属するフランシス・ロメロ記者によれば、契約金は150万ドル(約2億3000万円)で、NPBを経由しない日本のアマチュア選手としては史上最高額だという。
米誌「ベースボール・アメリカ」の国際プロスペクトランキングで25位にランクされている森井。球団公式X(旧ツイッター)は黄色のユニホームを着てサインする森井の写真などを公開し、日本語で「アスレチックスへようこそ! 森井翔太郎選手!」と歓迎している。
(Full-Count編集部)