青柳は「今のままでは苦しい」 予想できたマイナー契約、OBが求める“現状打破”
佐藤義則氏が分析「今の青柳のスタイルのままでは苦しくなる」
阪神からポスティングシステムでメジャー挑戦を目指す青柳晃洋投手は、17日(日本時間18日)にフィリーズとのマイナー契約が決まった。スプリングトレーニングには招待選手として参加し、メジャー契約を目指す形となるが、メジャーの40人枠に入る道は困難が予想される。野球評論家・佐藤義則氏は「今のスタイルのままでは苦しくなる」と懸念を示す。
青柳は米東部時間17日(日本時間18日)に交渉期限が終了し、期限直前での決着となった。マイナー契約となった青柳について、佐藤氏は「正直言って、メジャー契約は難しいだろうと思っていました」と語った。ここ最近、メジャー挑戦で結果を残した日本人投手は三振を奪える本格派が多い中、青柳はサイドスロー。ツーシームやスライダーなど多彩な変化球を武器に打ち取る投球が持ち味だ。
だが、佐藤氏は「青柳はアンダースロー気味のサイドスローで、完全なアンダースローと違って、メジャーの打者が戸惑うほどの軌道ではないと思います」と、青柳の投球フォームはメジャーリーグで特に優位性がないと分析する。
青柳はストレートの平均球速が140キロ台前半で、ゴロ割合は毎年50%を超えるグラウンドボーラーだ。それでも佐藤氏は、青柳の投球の本質は技巧派ではないとみる。「私は青柳のことを、力でねじ伏せるパワーピッチャーと見ています。変化球もありますが、本人は“ホームベース上に強く投げる”という意識で投げています。ゴロを打たせることもありますが、フライアウトを取れるのが一番の持ち味だと思います」。
佐藤氏の指摘する通り、青柳は技巧派と呼ぶには与四球率がそこまで優れた数字ではない。2021年と2022年に阪神のエースとして2年連続13勝を挙げ、最多勝を獲得した。だが、最近2年間は成績を落としており、四球の割合も増えた。青柳の制球力について佐藤氏は「ストライクを取るコントロールはありますが、ゾーンぎりぎりを出し入れするほどではない。となると、最近のメジャーの打者は技術、選球眼がよくなっていて、ボールを振りませんから、今の青柳のスタイルのままでは苦しくなると思います」と課題を挙げる。
千賀滉大投手や今永昇太投手ら、メジャー挑戦1年目から華々しい活躍を見せた投手がいる陰で、通用せずに敗れ去った日本人投手も多い。厳しい道を選んだ31歳右腕は、まずはスプリングトレーニングが勝負となりそうだ。
(Full-Count編集部)