ド軍の“乱獲”に他球団憤慨も「非常にいいこと」 CEO反論「嫌われ者が貢献する」

ドジャースのブレイク・スネル、佐々木朗希、タナー・スコット(左から)【写真:Getty Images、ロイター、川村虎大】
ドジャースのブレイク・スネル、佐々木朗希、タナー・スコット(左から)【写真:Getty Images、ロイター、川村虎大】

サラリーキャップ導入への議論も過熱か

 今オフに大型補強を続け、巨大戦力となっているドジャースに他球団が反発し、2026年オフにロックアウトが起きる可能性を米メディアが報じている。一方、ドジャースのスタン・カステンCEOは“乱獲”との批判に対して「これは球界にとって非常にいいことだ。疑いはない」と反論した。

 ドジャースは今オフ、2度のサイ・ヤング賞に選ばれたブレイク・スネル投手、大谷翔平キラーとして知られるタナー・スコット投手、複数球団で争奪戦が繰り広げられた佐々木朗希投手、通算167本塁打のマイケル・コンフォート外野手らを続々と獲得。2019年セーブ王のカービー・イエーツ投手と契約に合意したとする現地報道もある。

 これら相次ぐ補強に対し、米スポーツ局「ESPN」は23日(日本時間24日)に公開した記事で「サラリーキャップ(年俸総額上限)導入への関心は既に高まっている」と警鐘を鳴らした。「特にドジャースの大型補強やメッツがフアン・ソト外野手と結んだ15年7億6500万ドル(約1191億円)の後払いなし契約に対し、憤慨した複数のオーナーが、来年のCBA(選手会との労使協定)交渉でサラリーキャップ導入を提案する」と指摘し、シーズン終了後の2026年12月1日には、ロックアウトが起きる懸念も示している。

 これに対し、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は24日(同25日)に公開した記事で、ドジャースのスタン・カステンCEOの見解を掲載。選手の乱獲が球界を壊す行為ではないかという指摘に対し、カステンCEOは「これは球界にとって非常にいいことだ。疑いはない」と反論した。

 その理由として、カステンCEOが挙げるのは2つの論点だ。一つは競争性で「皆さんがご存じの通り、球界ではしっかりとルールが決められている。今時点で、私たちがワールドシリーズを制覇する確率は3回に1回。つまり、他球団がワールドシリーズを制覇する可能性は70%から75%もある」とし、大型補強によって競争性が損なわれたわけではないことを強調する。もう1つは、エンターテインメント面。「ファンに愛されているチームが観客動員で記録的な数字を叩き出し、球界一を記録していることは非常にいいことだ。そして、球界一の動員数を誇る嫌われ者が敵地の動員に貢献している。これは球界にとってwin-winのことだ」と、むしろ球界に好循環を生み出していると主張している。

 メジャーリーグでは2021年12月、旧労使協定の失効期限までに新たな労使協定がまとまらず、球団オーナー陣が全会一致でロックアウト実施を決定。この時は、2022年の開幕日が延期となる影響が出た。

(Full-Count編集部)

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