大谷翔平への5つの疑問 リアル二刀流でも1番、盗塁減? 問われる“本業”での真価
![ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】](https://full-count.jp/wp-content/uploads/2024/06/21163722/20240621_ohtani28_ay.jpg)
12日にメジャー8年目のキャンプイン、2年ぶりの二刀流復活が期待されている
ドジャース・大谷翔平は11日(日本時間12日)、アリゾナ州グレンデールの球団施設で移籍2年目のキャンプ初日を迎える。2年ぶりの二刀流復活が期待される2025年、大谷には5つの“疑問”がある。これまでの大谷やデーブ・ロバーツ監督ら首脳陣のコメントから紐解いていきたい。
まずは、やはり『二刀流の運用法』だ。ブランドン・ゴームズGMは昨秋から6人制の先発ローテーションを採用する可能性が高いと示唆。NPB時代から中5日以上での登板に慣れている山本由伸、佐々木朗希もいる中で、どのように先発ローテに加わっていくか。
これまでに大谷は「チームと相談しながら、デザインしていくのが理想かなと思っています。2021年から2023年くらいの、どちらも規定に近いくらい出場するのが理想ではあると思う。臨機応変に対応できたら」と語っている。打者に専念した昨季は54本塁打、130打点でリーグ2冠王に。圧倒的な打撃力を持つだけに、投手戦績が振るわなければ、打者専念論も出てくることもゼロではない。先発投手としても高く評価するドジャースがどのようにマネジメントしていくか注目だ。
『投手・大谷の復帰時期』も大事なポイントだ。右肘手術明けで投球イニング数に制限がかかる見込み。ロバーツ監督は「10月までの計画をベースに考えていきたい」とし、5月中の投手復帰を見据えている。チームの先発投手候補は豊富にいるが、健康で計算できるのはサイ・ヤング賞左腕ブレイク・スネルと山本のみ。あとは大谷を含めて故障明けが多いのが実情だ。ロバーツ監督は「5月より早まるかも」と発言しており、キャンプ中の調整具合で決めていくのだろうか。
自主トレでは投球フォームを変更、セット始動からノーワインドアップ&超ショートアームに
『打順』も注目だ。昨季はベッツの左手骨折後に1番に定着して90試合に先発。打率.307、35本塁打、84打点をマークし、足でも44盗塁を決めた。ロバーツ監督は1日のファン感謝イベント・ドジャーフェストで「今年は彼が6日か7日置きに投げるのを見られる。1番で打つことに加えて、それが見られるのはとても驚異的なこと」と1番で使い続けることを示唆しているが、何より今年は投手復帰イヤー。1回表に投球、その裏の攻撃で先頭打者となれば、かなり慌ただしいことが予想される。リアル二刀流での出場時も切り込み隊長として使い続けるのだろうか。
3日(同4日)からアリゾナ州グレンデールの球団施設で自主トレ。これまでの投手・大谷との一番の違いは『投球フォームの変更』だ。エンゼルス時代の2023年までセットポジションから投げていたが、この自主トレではノーワインドアップから投球。また、テークバック時に腕を伸ばさずに曲げたまま行うショートアームは、よりコンパクトにした印象で、捕手方向へ突き出していた左手も右腕を振り上げると同時に体の前でグラブをたたんでいる。故障しない対策なのか、ピッチクロック対策なのか。長く二刀流を継続するために右肘にメスは入れられない、このフォーム修正は大きな鍵となりそうだ。
最後は『盗塁』だ。昨季は走者の判断に委ねる“グリーンライト”が大谷に与えられていたが、ここも投手復帰イヤー。ロバーツ監督も盗塁数が減ることを予想している。それでも、大谷は「例え投手として試合で投げていたとしても、進塁した方が可能性が高いのであれば、もちろんいく準備はしたいなと思っています」。同僚のフレディ・フリーマンも「5月に投手を再開する前までに、50盗塁をマークするかもしれないね」と語っているだけに、目が離せない展開となりそうだ。
前日となった10日(同11日)は壁当て、ティー打撃などに汗を流した。この日はメディア関係者、ファン合わせて100人超が集結し、注目度の高さを示した。今季へ向けて、大谷は「野球選手としてのピークを迎える、または、今もその中にいると思っているので。それをまずどれだけ維持できるのか、向上していけるのか」と語っている。今季も異次元のシーズンが期待できそうだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)
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