大谷関連の質問、ベッツに隠せぬイライラ「自分の仕事ある」 見えた常勝の秘訣
「投手・オオタニに興味や興奮は?」 ベッツは米メディアの質問を一蹴した
ちょっとイライラしているようだった。ドジャースのムーキー・ベッツ内野手だ。約20人による囲み取材。「投手・オオタニに興味や興奮といった感情はあるか?」。米メディアからぶつけられた大谷翔平の二刀流復活に関する質問。チームリーダーは大きな目をギロリと見開いた。
「ショウヘイがショウヘイのような活躍をしてくれることは分かっている。でも、自分には自分の仕事がある。チームメートがやっていることにあまりエネルギーを注ぐことはできない。自分のことに集中しなきゃいけない」
ベッツは今季から再び遊撃手に転向する。自主トレ期間中からミゲル・ロハスとともに遊撃の位置でノックを受け、守備力向上に力を注いでいる。決して大谷と不仲ではないし、お互いがリスペクトし合う間柄だが、“もう大谷のことは聞かないでくれ”――。そう言わんばかりの口調だった。
2024年、チームは4年ぶりにワールドシリーズ制覇した。このオフ、2度のサイ・ヤング賞左腕ブレイク・スネルに始まり、4番のテオスカー・ヘルナンデスとの再契約、守護神候補のタナー・スコット、そして佐々木朗希……。補強戦線でも圧倒的な“勝ち組”となった。
下馬評では2025年もワールドシリーズ制覇の筆頭候補。シーズン116勝のメジャー記録更新も期待されるシーズンだ。だが、やっている方は必死のパッチだ。
「ワールドシリーズ制覇は一度でも難しいこと。連覇することをずっと考えているようではダメだ。シーズン1試合目が控えているのだから、まずはスプリングトレーニングをやり切ること。ワールドシリーズ連覇する話ばかりしてもダメだ」
「(MLB最多116勝は)全く頭にないね。1試合も戦っていないんだ。まずは初戦。シーズンが始まってもいないのに、ワールドシリーズの話なんてできないね」
今年もドジャースが勝つ、いや勝って当たり前だ――。そんな周囲の浮かれ気分を一蹴するかのように言い切った。
野手組が加わる全体キャンプは15日(日本時間16日)からだが、ベッツをはじめ、フレディ・フリーマン、マックス・マンシーら多くの主力野手がキャンプ地で自主トレ。すでに今季へスタートを切っている。
「去年ワールドシリーズを制覇できたのは、毎日その話をしていたからではなく、与えられた課題について話し合っていたからだ。それを続けてないといけないし、最終的な目標を気を取られてはいけない。もちろん最終的な目標はあるけど、手順を踏まないといけない」
3度のワールドシリーズ制覇を経験した男の言葉にはズシッとした重みがあった。