“白紙”が示す大谷翔平への信頼 練習メニュー表に名前なし「投打で何年も活躍した」

取材に応じたドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
取材に応じたドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

ドジャースの練習メニュー表に「Ohtani」の名前なし

「Workout #1」と題されたドジャースの練習メニュー表。参加選手、練習時間や場所、コーチ陣の配置までも事細かに記されていたが、大谷翔平投手の名前はどこにもなかった。待ちに待ったキャンプインと言っても、唯一無二の二刀流選手に関しては“自主トレ”と同じ。この日、ロバーツ監督は「投球と打撃(二刀流)については、以前経験していること。両方こなして、何年も大活躍をした」と語った。“白紙”の練習メニューが、ドジャースの厚い信頼を示していた。

 今季は二刀流復活イヤーだ。誰よりもチームの勝敗を左右する立場にあるが、特に監督・コーチの指示はない。この日は山本由伸らと投内連係、牽制練習などを行い、その後にキャッチボール。捕手役が座った状態で20球を投じた。投手練習を終えると、スムーズに打者練習へ移行。「今日も外で打つのは決まっていた。スケジュール通り」。18スイングで6連発を含む10本の柵越えとかっ飛ばし、約3時間ほどの“二刀流トレ”を終えた。

 ドジャースにとっては初めての二刀流選手。調整は自由だが、プレーではいくつも制限をかける。投手・大谷の復帰を「5月」としているロバーツ監督は、まずオープン戦登板をなしに。シーズン59盗塁の昨季は、走者に盗塁の判断を委ねる「グリーンライト」が出されていたが、今季はストップがかかりそうだ。

「昨年はたくさん走っていたが、今年はそこまで多く見ることはないだろう。指名打者としてはオフの日が多くなると思う」。エンゼルス時代の2023年は大谷自身に出場の可否を任せていたが、シーズン後半の8月中に右肘靭帯損傷。もし、これから肩・肘の手術となれば、投手生命に関わるだけに慎重に進めていくことになりそうだ。

 週末には初のブルペン入りする予定。投手ではノーワインドアップ投法にトライするなど、練習が“白紙”だろうと目的意識ははっきりしている。「実戦の打席数、ライブBPの数は限られる。その1回は大事にしたい。万全の状態で入って、最初から最後まで、いい量をこなせるわけではない。1回1回の質が大事になってくるんじゃないかなと思います」。独自調整を任される中、“量より質”を求めていく。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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