防御率4点台が手にした84億円も…免れない「オフの敗者」 年俸32億円拒否で直面した現実

レッドソックスからFAになっているニック・ピベッタ【写真:Getty Images】
レッドソックスからFAになっているニック・ピベッタ【写真:Getty Images】

4年5500万ドル契約も…今季年俸は異例の100万ドル

 レッドソックスからFAとなっていたニック・ピベッタ投手は12日(日本時間13日)、パドレスと4年5500万ドル(約84億7000万円)で契約を結んだと「ESPN」のジェフ・パッサン記者が報じた。2年目と3年目のシーズン終了後にオプトアウトできる。巨額契約を手にした一方で、必ずしもその内容はかんばしくない。

 パッサン記者によると、契約ボーナスは300万ドル(約4億6000万円)、今季年俸100万ドル(約1億5000万円)、2026年の年俸が1900万ドル(約29億円)、2027年は1400万ドル(約21億5000万円)、2028年は1800万ドル(約27億円)。今季年俸が著しく低いのはパドレスの予算制限のためで、かなり特殊な契約内容となっている。さらに、年度別の年俸は自身が拒否したクオリファイング・オファー(QO)の金額よりも低い形となった。

 ピベッタは2017年にフィリーズでメジャーデビューし、2020年夏のトレードでレッドソックスに移籍。2022年には自身初の2桁となる10勝、179回2/3を投げて防御率4.56を記録した。昨季は26試合に先発して6勝12敗、防御率4.14。オフに自身初のFAを迎え、球団からは1年での残留申請となる2105万ドル(約32億8200万円)のQOを提示されたが、去就はなかなか決まらなかった。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」でアナリストを務める元GMのジム・ボウデン氏は1月、今オフ最大の“敗者”として右腕の名前を挙げていた。ボウデン氏は「最高年俸が2024年の750万ドル(約11億6900万円)だったのにも関わらず、ピベッタはFA市場に出てQOよりもいい条件の複数年契約を勝ち取れると、自分自身に賭ける決断を下した」「(ドラフト指名権を譲渡する)QOを拒否したので痛い代償を払うだろう」と指摘する。

 最終的にピベッタは複数年契約こそ手にしたものの、金額面では“低評価”という結果。果たして確たる数字を残し、オプトアウトしてさらなる巨額契約を手にする未来は訪れるだろうか。

(Full-Count編集部)

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